2009年5月1日 ~仙台から郡山までバスに乗る~

今日は休日。午後イチに郡山市富田町まで行く用事があったので、2か月ぶりにそこまで歩くつもりであった。だから、前回は本宮駅から二本松街道(会津街道)を歩いたから今度は安積永盛駅から内環状線を歩いてみようかな、とかいろいろ考えていたのであるが、当日の朝に仙台の勤務先でどうしても抜けられない仕事があったため、散歩は中止に。富田町までの経路も、早くに仙台を発ち高速バスで郡山へと向かうという強硬手段と相成ってしまった。
10時過ぎに仕事を終えると、広瀬通りに面したバスターミナルへ直行。現在ターミナルビルが建設中のため仮設の切符売り場があるだけの窓口は、結構な混雑。バスを待つ間に時刻表を見ていると、仙台~郡山の高速バスは1日28往復、日中は30分ヘッドで発着している。仙台を発着する高速バスと言えば1日76往復(平日運行時。以下同様)の山形便や同じく45往復の福島便が目立つが、郡山便はこれらに次ぐドル箱路線のようで運行本数から言えば盛岡便の15往復やいわゆるショーナイガールズの利用が目立つ鶴岡・酒田便の13往復(これとは別に酒田・由利本荘便が3往復ある)を上回る。この便数の多さは、郡山の都市機能の高さを物語るのか、それとも一部の郡山市民が福島市を「仙台市福島区」と揶揄しているけど実は郡山市も「仙台市郡山区」になりつつある証左なのか、私にはよくわからない。
11時20分発のバスには、10人をちょっと超えるお客さんが乗り込んだ。後輪の真上辺りにある席に陣取り、バスターミナル近くのコンビニで買いこんだスポーツ新聞を読む。発車したバスはしばらく繁華街を走るが、東北自動車道の仙台宮城ICに通じる仙台西道路のトンネルに入り、抜けた先は丘陵ばかりで完全に郊外の風景。この間わずか数キロ。仙台なんてそんなに大きな街じゃない。
高速道路に入っても、市街地至近とは思えないほど山間の風景が連続する。街場らしい風景は太白山のふもとにある太白団地の住宅がわずかに見えるのみで、名取川に面した仙台南ICを通過。仙台南部道路が分岐するこのICの付近には多少の人家があるが、やはり仙台近郊とは思えない寂しい風景だ。
仙台市から村田町に入り、菅生PA、山形自動車道が分岐する村田Jctを過ぎると、村田IC。ここもまた丘陵のただ中だが、村田町の中心部に近いせいか、人家や工場の集積ぶりは仙台市内のICと比べても遜色ない。なお、ここから先は、水田地帯を走ることになる。右手前方に蔵王の山々がくっきりと見えている。
駐車場とトイレしかない簡素な蔵王PAを過ぎると、右手から国道4号線、白石川、JR東北本線の線路がまとめて近づいてくる。ここから県境を越えて福島市の北部までは、東北新幹線も含めて東京と東北を結ぶ大動脈が絡み合いながら収束している。我が東北自動車道も、白石市街の北側で国道4号線と数キロにわたり並走。お互い4車線だけに、なかなか豪華な並走だ。
白石市街を過ぎると平野が尽き、県境の峠を目指す。サミットには国見SA。構内には信達平野を見下ろせる展望スポットもある。ここを過ぎると厚樫山の山肌を巻くように一気呵成に下り坂。東北本線や国道4号線も並走しているが、こちらの方が高い位置を通っているので眺望も良い。
付近にラブホテルもなく落ち着いた雰囲気の国見ICを過ぎ、信達平野を走る。桑折の自宅近くもあっさり通過。せめてバス停があれば私もバス通勤できるのに、とふと思う。
福島市内に入ると、右手に吾妻山、左手に信夫山と福島の市街地という風景がかなり長い間続く。東北自動車は福島の市街地を遠巻きに半周しており、市街地が殆ど見えない仙台とは対照的だ。なお、福島市街の真西に位置する吾妻PAで、5分間の休憩タイムがある。
国道115号線と交差する福島西ICを過ぎると、再び丘陵の中へ。福島トンネルを過ぎた先で左手にチラリと見える福島大学のキャンパスとその周囲の学生アパート群を除けば、都市を感じさせる風景は皆無と言っていい。驚いたことに、二本松IC付近も、人家らしいものは殆ど見当たらない。ICを降りるとロードサイドショップが連なっておりひょっとしたら二本松市内でも最も賑わいを見せている地域かと思うのだが、高速道路からだと丘陵に見事に遮られており、その様子が全然うかがえない。
丘陵に遮られているといえば、二本松市を代表する山である安達太良山も、二本松市内からだと殆ど望むことができない。その姿を拝めるのは、大玉村に入り、周囲が開けた田園風景となってからである。田園風景をしばらく行くと、本宮IC。周囲には大きなタンクが立ち並んでいるのが印象的なアサヒビール福島工場をはじめ工場が多く、なかなか開けている。
福島県では最大級のSAである安達太良SA、磐越自動車道と交差する郡山Jctを過ぎると、いよいよ郡山IC。このままバスに乗り続けて街の様子を見ていたいという衝動に駆られるが、残念なことに私が降りるべきバス停は、ICに程近いコパル前。後ろ髪をひかれる思いで下車のボタンを押した。