2009年4月11日 ~微温湯街道を西へ~

今日は、家族で花見に行く予定を立てている。
福島県中通り北部で花見と言えば福島市の花見山や信夫山が定番だが、混雑が予想されるこれらのスポットには我が家は足を運ばず、福島市南西部にあるあづま総合運動公園まで出かけることにした。自宅からは飯坂街道(県道飯坂桑折線)やフルーツライン(主要地方道上名倉飯坂伊達線)を経由して20キロ強ほどの道のりだ。
ところが、この花見の計画がまとまった際、妻からこう言われてしまう。
「お父さんは、もちろん、歩くんでしょ?」
言われなくてもそのつもりでいた。なんかこの頃、家族で外出する時はクルマで出掛ける妻子と別に私だけが徒歩で現地へ向かうというパターンが定番化している。今回も、12時頃に現地で待ち合わせることにし、私一人で桑折駅発10時01分の電車に乗り込んだ。
時間帯的に言えばいつもだったら空席がそれなりにある電車のはずなのだが、今日は座席がほとんど埋まっている。どうやら、仙台方面からやってきた花見山への観光客らしい。大きな宣伝もせずあくまで地元民のためだけの花見スポットである信夫山に対し、花見山は首都圏や仙台圏でもPRを行うから、どうしてもこのような事態が起こってしまう。結局、立ちんぼのまま乗車時間を過ごし、10時16分、福島駅着。今日の散歩は、ここからのスタートとなる。
福島駅からあづま総合運動公園までの散歩コースは、多彩だ。北から順に挙げると、福島駅から真西にまっすぐ延びている高湯街道(主要地方道福島吾妻裏磐梯線)、これの1キロほど南側を通っている微温湯(ぬるゆ)街道(県道福島微温湯線)、更にその1キロほど南側を通っている新旧の国道115号線とよりどりみどり。運動公園のある福島市南西部は我が散歩においては空白スポットなのでどのルートを歩いても新鮮な気分を味わえるのだが、その中でもクルマで通った経験の少ない微温湯街道を、今回はチョイスすることにした。
振り返ってみると、微温湯街道をクルマで通ったのは、かれこれ9年ぶりのことになる。確か、友人の結婚式で、式場のアンナガーデンと披露宴会場の辰巳屋とを往復した時以来。あの時は礼服を着て送迎バスに揺られたのに、今日はジャージを着て散歩。あまりの落差に一人苦笑する。
福島駅西口を出、その微温湯街道へと入る。出発点こそ福島民報の本社やROUND1、イトーヨーカ堂などが立ち並ぶ街中っぽい雰囲気であるが、300メートルほど歩き荒川に架かる八木田橋を渡ると、もう旧市街から出はずれ、ロードサイドショップや新興住宅が立ち並ぶ郊外の風景となる。そして更に1キロ少し歩き福島西道路を渡ると、住宅も少なくなり田んぼや果樹園が展開する農村部の風景に。高湯街道や国道115号線ならもう少し長い間沿道に住宅が張り付いているはずだが、微温湯街道沿道は都市化が若干遅れているようだ。ただし、果樹園に限って言えば、桃畑が多く、今がちょうど花の見頃。その点では、今日微温湯街道を選んで正解だったと思う。また、この辺りから前方の吾妻山もくっきりと姿を現し始めるのも気分が良い。
ところが、再び荒川を渡り東北自動車道の築堤をアンダークロスすると、沿道風景が若干変化を見せる。工場がやたらと目立つようになるのだ。まず左手遠方に京樽キヤノンの大工場が姿を現したかと思うと、今度は右手の沿道に西工場団地の工場群。沖電気系列の沖データなど大工場もあるが、地元資本の印刷所がやたらと多い工業団地だ。ここまでせっかく農村風景を堪能していたのに、これはちょっと興ざめ。どうしてまたこんな所に工業団地なんか作るんだろうと首をかしげてしまう。ただ、各工場にはどういう訳か桜の木が植えられており、ちょっとした花見気分が味わえたのが、せめてもの救いではあった。
工業団地を通り抜けると、微温湯街道はこれまた不必要に幅が広いフルーツラインとの交差点に差し掛かる。ここを左折し、700メートルほど歩くと、あづま総合運動公園の入口だ。入口付近の道路は見事な桜並木。福島市中心部に比べて標高が高いせいかまだ満開ではなかったものの、なかなか見ごたえがあった。
結局、運動公園の駐車場に着いたのは、福島駅を出てから1時間40分後。周囲を見渡したが妻子はまだ来ていない。妻に電話してみると「今庭坂の免許センターの所なの」という返事が返ってきた。