2010年1月25日 ~国見町で金融機関について考える~

昨日、今日と連休だった。
昨日は下の子の誕生日だったのでお祝い優先。従って今日東邦銀行保原支店(109)及び梁川支店(110)まで散歩に出掛ける予定だったのだが、昨晩から上の子が腹痛と発熱を訴えたため急遽キャンセル。かかりつけである国見町の公立藤田総合病院までクルマを走らせた。
かかりつけとはいえ、私自身がこの病院に足を運んだのはなんと4年ぶり。健康なのは何よりだけど診察に関する手続などわからず、ちょっとまごつく。病院慣れ(?)している上の子に訊ねることもしばしばで、保護者として随行したつもりが「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」を地で行く展開になってしまった。
幸い腹痛自体は深刻なものではなく、診察も短時間で終了。とりあえず一安心となった次第だが、この間、私は子供の心配をする一方で、病院の所在する国見町の金融機関について、いろいろと考えを巡らせていた。
というのも、現在行っている東邦銀行支店巡礼の散歩は、国見町を経由しないのである。支店が所在しない地域もなるべくフォローできるようコースを組んだつもりではあるのだが、この国見町及び二本松市の東部に位置する旧東和町及び旧岩代町は、外さざるを得なかった。なお、国見町には、2002年まで国見支店(132)が存在していた。閉店前ならば散歩で訪れることは可能だったのだが。
東邦銀行国見支店は病院のすぐ近くにあったのだが、現在その場所には福島信用金庫の国見支店が建っている。ゆうちょ銀行やJAを別にすれば国見町で唯一の金融機関ということもあり、町民から「おらが町の金融機関」との信頼を集めているようだ。そう言えば、病院のATMも、福島信用金庫のものはあっても銀行のものはなかったように思う。福島県内にある大規模病院には、支店が設置されている福島県医大病院をはじめ、福島市の福島赤十字病院や大原綜合病院、二本松市の枡記念病院のように東邦銀行のATMが入居しているケースが割合多いのであるが。
正確な統計など知る由もないが、東邦銀行の支店は、大体人口2~3万人の地域にひとつの割合で設置されているようだ。この方針に沿ったからこそ国見支店が閉店になったのだと思う。人口密度が高い都市部においてはそれでも別に構わないが、農村部においては複数の自治体にひとつの支店という事態も当然起こり得る。
そんな地域において、支店が設置されないことによって生じたニッチを埋めているのが、信用金庫の支店である。信達地方を営業エリアとしている福島信用金庫はいわゆる平成の大合併以前に存在していた伊達地方のすべての自治体に支店を設置している(この背景には、福島信用金庫の前身のひとつが伊達地方を営業エリアとし1976年まで存在していた伊達中央信用金庫であったことも大きいと思う)し、安達地方を営業エリアとしている二本松信用金庫も、二本松市内の旧自治体のすべてに支店が存在する。
こんなことをクドクドと書いていると、今はコンビニでも金融機関の役割をある程度果たしているから支店の場所なんてどうでもいいだろうと主張される方がいるかもしれない。しかし、農村部にあってはこれが落とし穴。今月我が家に届いた電話帳で調べてみると、伊達市の旧月舘町二本松市の旧岩代町のように、コンビニが1軒もない地域も存在する。コンビニのメイン業務は食料品や日用品の販売といったあくまで対個人の商売であり、人口や往来の多い場所に集中して出店されがち。従って、公共性が強くユニバーサルサービスが図られるべき金融機関の業務を担いきれるとは思えないのだ。
東邦銀行ばかり訪ね歩いてはいる私が言うのも変な話だが、銀行より狭い範囲において地域に根差しユニバーサルサービスに徹している信用金庫には、将来にわたって現在の形態で営業を続けて欲しいと強く思う次第である。