2010年7月25日 ~郡山市中心部右往左往~

10日の午前中からお昼にかけて、家族して郡山市内某所まで所用に出掛けた。
移動手段は、妻が運転するクルマ。その場所は前回の散歩の終点である喜久田駅から歩けない距離でもなかったのだが、現地で子供の友達の家族と合流予定、つまり子供が主役の外出であったため、私がこの場を借りて道楽をする訳にはいかない。
所用は午後2時半には終了。それまで一所懸命遊びまくっていた子供達は、去って行く友達に対し名残惜しそうに手を振っている。
我々もまた帰途につく訳だが、所用中軽食程度の食事しかできなかったので、小腹がすいている。そこで、郡山市内で昼夕兼用の食事を摂ることにした。
郡山市内での食事となると、以前から機会があれば食べてみたいものがあった。それは「こおりやまグリーンカレー」。2ヶ月前に放映された郡山の市政情報番組でこのメニューを郡山の新名物としてPRしていこうとの動きがあることを知り、気になっていたのだ。
まずはなかまち夢通りまで移動。郡山市唯一のデパート・うすいの駐車場にクルマを停める。ついでという訳ではないが、うすいの店内にも入り、6階にあるディズニーストアや地下の食品売り場などを見て回る。うすいを訪れたのは私にとっては8年ぶりであり、子供達にとっては、初めての経験。ただ、「♪夢のデパート」のフレーズで知られる地元で流れるCMソングは知っており、件の曲が店内に流れた時には一緒になって口ずさんでいた。
特に食品売り場でいろいろと見ていたら意外に時間がかかってしまい、うすいを出たのは午後4時過ぎのことであった。さて、これからグリーンカレーを食べに行く。とは言っても食べさせてくれる店がどこにあるかわからなかったので、まずは、うすいと同じくなかまち夢通り沿いにある郡山の情報拠点・ハーモニーステーション郡山まで足を運んで情報収集。
情報は、すぐに見つかった。 http://www.kanko-koriyama.gr.jp/greeeen.pdf のサイトに掲載されているのと全く同じ内容が書かれているリーフレットを館内でゲット。ふむふむ、グリーンカレーが食べられる店は14ヶ所もあるのか。ここから一番近い店は、なかまち夢通りと駅前大通りとの角に建つ郡山ビューホテルアネックス内にあるSPOONになるらしい。ここならすぐそばだなと一安心した次第だが、実はこれが難行苦行の始まりであることを、我々は知る由もなかった。
なかまち夢通りを3分ほど北上し、郡山ビューホテルアネックスに到着。1階にあるSPOONに入ろうとした時、玄関先の看板を見て我々は愕然とする。なんと、営業時間が「11:30~14:30、17:30~22:00」となっているではないか。つまり、今の時間帯は中休みの真っ最中で、グリーンカレーなど食べられる状況ではないのだ。
仕方ないな… 我々は、次に近い店へと向かった。訪れたのは、駅前大通りを渡った先の大町にある郡山ワシントンホテル内のカフェレストラン・ボンジュールである。店は、正面玄関からすぐのところにあった。入口にはこおりやまグリーンカレーのポスターも掲げられている。
「すいません、こちらでグリーンカレーやってますか」と、店員に訊ねる。二つ返事でOKをもらえるかと思いきや、店員の口からは意外な一言が。
「申し訳ございません。当店でグリーンカレーが食べられるのは午後5時からなんですよ。」
この店の営業時間は午前7時から午後8時までなのだが、どうやらランチとディナーの中間の時間帯では、グリーンカレーは食べられないらしい。
2店舗連続で撃沈。となると、諦めモードに入ってしまうところであるが、逆に私は「どうしても食べたい!」という思いに火がついてしまい、妻子を連れて郡山駅周辺でリーフレットに掲載されている店を回り続けた。
ワシントンホテルに程近い駅前アーケードのCLUB#9、駅前アーケードから駅前大通りを挟んで南側、寿泉堂総合病院の近くにあるボーンカフェ、更に南のフロンティア通りに面したエイジアン・エレメンツと都合3軒訪れたが、なんとすべて空振り。CLUB#9は営業はしていた模様だが元々ライブハウスであり子供連れでは非常に入りづらい雰囲気がネックであり、喫茶店か飲み屋か微妙な雰囲気のボーンカフェは日曜が休業日、エイジアン・エレメンツはアジア料理のお店でグリーンカレーにありつけたとしても子供達の口に合うかなとの懸念があったが、訪れてみるとホテルのレストランと同じで、ランチとディナーの中間の時間帯は営業していなかった。 
ここまで回って何の収穫もないとなると、家族の機嫌も悪くなる。「おなかすいたよ」と淡々と話す上の子はまだいいけれど、なかなか食事にありつけない下の子などは少々キレ気味になっている。妻もまた「お父さんがどうしても食べたいって言うからさあ…」とか、結婚前の出来事なども持ち出して愚痴る始末。確かに、結婚前に二人で新潟を訪れた際に、万代シティから古町通まで連れて歩いた揚句食事したい店がなかなか見つからず、結局万代シティまで戻ってどこにでもあるようなファミレスでハンバーグを食べたことがあった。あの時も、妻は相当怒っていたっけ。
「まったく、ブログのネタにしたいからって…」と痛いところを突きながら妻の愚痴は続いたが、救いの手を差し伸べてくれてのもまた、妻だった。「駅前は諦めて、郊外に行こうよ」
そうした方がいいだろうと私も思う。目指す先は、麓山の21世紀記念公園内にあるオレンジ・ペコか、桑野にある郡山トンチキてい。さっそく妻の運転で飛びだしたものの、曲がり角を間違えてしまい21世紀記念公園があるはやま通りではなく文化通りに入らざるを得なくなってしまった。
麓山近辺は一方通行の道路が多いので、オレンジ・ペコへの来訪は、ここで諦めた。もっとも、帰宅後に調べると、オレンジ・ペコもまたグリーンカレーを食べられるのは午前11時半から午後2時半までのランチに限るとのことで、結果的に訪れなくて正解であった。
文化通りから内環状線へと妻はクルマを走らせる。さくら通りとの交差点に差し掛かる手前で、「ままどおる」などで知られる郡山を代表する菓子メーカーの三万石が運営するイタリアンレストラン・アンジェロが見えた。郡山らしさを求めに食事するのだったらアンジェロでも良かったかなと後悔しかける。ちなみにその時、妻は郡山トンチキていでグリーンカレーが食べられなかったら、更に内環状線を北上して並木にあるカフェレストラン・羅布乃瑠 沙羅英慕(ロブノオル サラエボ)で食事しようという腹積もりでいたようだ。羅布乃瑠 沙羅英慕宇都宮市が本拠だが、福島県内の店舗は郡山市内に2ヶ所あるのみである。
さて、桑野に着いた。とは言うものの、リーフレットに載っている大雑把な地図では、店の場所がどこにあるのかちょっとわかりにくい。というか、桑野近辺には意外に個人経営の飲食店が多く、これもまた店を見つけにくい要因になっているように感じる。「桑野には市役所や女子大が近いから、こういう店が結構多いんだよね」とは、郡山に何人か友人を持つ妻の弁。
同じところを何度も回った挙句、ようやく郡山トンチキていに到着。その店名から焼肉屋っぽい雰囲気を予想していたのだが、店内は小ざっぱりしており小上がり席もなく、公務員や女子学生が昼食に、あるいは夕方に軽く一杯引っかける店、という雰囲気であった。
「すいません、こちらでグリーンカレー食べられますか?」店員に質問する私。
「ええ、食べられますよ」と店員。良かった~ これで妻子に示しがつく。もっとも、郡山トンチキていでもグリーンカレーが食べられる時間帯には制限があり、午後3時から午後5時までは食べることができない(店自体も営業していない)とのこと。ではどうして私が訊ねた際にOKが出たのかというと、理屈は簡単で、店を探してグルグル回っているうちに午後5時を回ってしまったのである。つまり、昼夕兼食のつもりが思いっきり夕飯になってしまったという訳。 
やっての思いでありついたグリーンカレー。郡山トンチキていで出されるのは「スパイシートンチキグリーンカレー」と名付けられ、スープ、サラダに小鉢が数店ついたセットメニューである。子供達の反応がまず気になったが、ルウの緑色の主成分(?)であるホウレンソウの甘味がルウの辛味を和らげてくれるのか、非常に食べやすかったようである。値段は1,200円と若干高め。だから近くに住んでいたとしてもちょくちょく食べに行くという訳にはいかないだろうが、ちょっとした贅沢に地元の名物を…というシチュエーションに十分応えてくれるメニューだとは感じた。
 
それにしても、今日は、ランチとディナーとの間がグリーンカレーを欲する客にとって「魔の時間帯」だということを強く思い知った次第。せめてこの現状を、リーフレットに一筆書いて欲しいものである。