2011年1月26日 ~仙台銀行支店巡礼⑭ 南小泉支店・沖野支店・東部工場団地支店(前半)~

昨年11月から行っている仙台銀行支店巡礼では仙台市内(場合によっては市外近郊)のあちこちを歩いている訳だが、市内5区のなかで南東部の若林区を通る機会はあまり多くないように思われる。これまでも荒町(205)、卸町(212)と区内の店舗を訪れる機会はあったし、その他にも区内を通過することは少なくなかったのだが、いずれの訪問でも区内を通る距離はそれほど長くはなかったし、区内の風景もいまいち印象に残っていないのだ。
やはり、散歩の起終点となり得る駅が存在しないというロケーションが、致命的なのだろう。また、宮城野区の原町や仙台駅東口太白区の長町、泉区の泉中央のような明確なハブというか、区の中核となる街並みも存在しない訳で、このことがまた、若林区が埋没してしまう背景にあるような気がする。
そんな若林区内にある店舗を、今日は三つも訪れる予定を立てている。店舗コード順に紹介すると、南小泉(228)、沖野(229)、東部工場団地(230)の各支店。結構広い範囲に散在しているのでまとめて訪れると時間がかかりそうだが、若林区を堪能するにはうってつけの行程になりそうだ。
いつものように、桑折駅発6時29分の下り始発電車に乗車。そのまま仙台駅まで…といきたいところであるが、仙台駅に定刻通り着いたとなるとATMが開く8時45分より前に南小泉支店に着いてしまいそうな懸念があったので、6時50分着の白石でいったん下車し、ホームで待機していた白石駅7時07分発の下り電車へと乗り換える。この電車の行先は、仙台駅の二つ先にある岩切駅から分岐する枝線の終点である利府駅。岩切~利府の枝線は宮城県内の鉄道で唯一乗車経験がない路線なので、仙台で下車せずにそのまま利府まで乗ってみたい気分になる。
仙台駅には、7時57分に到着。仙石線の地下ホームに近い東口改札を出、宮城野大通から地上へ。仙台東口支店(215)の建物が目に入らないように、東八番丁との交差点を右折する。西公園同様この道路の真下も地下鉄東西線の通過予定地となっており、現在工事の真っ最中。従って、4車線ある道路のど真ん中がフェンスで囲われており、クルマは歩道寄りの車線をソロソロと通る他はない。
だが、歩行者にとっては、地下鉄工事の影響は全然ない訳で、申し訳なさそうに走るクルマの脇を多くの人が行き交っている。勤め人と高校生が半々といったところであろうか。勤め人は仙台駅方向へ、高校生はその逆方向へと、急ぎ足で歩いている。私もまた、高校生の群れに混じる形で、東八番丁を南下する。新寺通との交差点を過ぎると、 道幅が一気に狭くなり一方通行の隘路となる。地下鉄は東八番丁から新寺通に出、更に都市計画道路宮沢根白石線を通って連坊小路へと至るジグザグルートとなるが、私は東八番丁から一気に連坊小路へと抜ける。
連坊小路に入ると、高校生の数は仙台駅東口以上に増えていた。それもそのはずで、沿道に仙台二華中学・高校、仙台一高と、二つも学校がある。いずれも校舎がドデカイのが特徴で、特に旧宮城二女高が共学化された上で中高一貫校へと生まれ変わった仙台二華中学・高校は、なんと7階建てで、総合病院を思わせる外観だ。こんな校舎で6年間学んだら、いろんな意味で個性的な人材が輩出されそうな予感がする。仙台一高もまた、5階建ての立派な校舎である。
その仙台一高の北側にて展開されていた地下鉄の工事現場を横目に、右折。仙台一高の敷地の東端を南下し、三百人町へと出る。仙台市中心部と若林区役所、若林区東部の七郷地区とを結び県道荒井荒町線にも指定されている幹線道路であるが、歩道が全く整備されておらず、しかもわずかな路肩スペースでさえも所々で電柱に遮られているので、歩きにくくてしょうがない。そんな所をバスが頻繁に往復するから、肝を冷やす。南小泉支店は、この道路を2キロ近く東へと歩いた先にある。自ら選んだルートではあるものの、勘弁して欲しいと思う。
保春院前丁に入り、貨物線のガードをくぐって、若林区役所の前を通過。そう言えば、仙台銀行支店巡礼では、11月18日に宮城野区、1月12日に太白区、1月16日に泉区と、各区役所の前を通過しているが、青葉区役所の前だけはまだ通過していないことに気がついた。
ここから先は仙台城下町の枠外となるが、沿道には商店街がまだ続いている。宮城野萩大通りを渡り、北日本銀行七十七銀行とライバル銀行の前を通過してしばらく歩くと、南小泉支店に到着だ。時刻は8時50分を過ぎたところであり、電車を一本遅らせて正解だった。
ATMで1,000円を入金。これで訪問店舗は27.仙台ブロック制覇まではあと9店舗と一ケタになった。気分が乗ってきた所で、歩くスピードを若干早め、次の沖野支店を目指す。
若林消防署の前で右折し、500メートルほど歩いて仙台バイパスへと出る。ここから沖野支店までは直線距離で南へ2キロほど。だが、途中に陸上自衛隊霞目(かすみのめ)飛行場の敷地が広がっている関係で、スンナリ到達できる道路がないのがネックである。とりあえず仙台バイパスを南下し、宮城野萩大通りが右手へと分岐する交差点で逆に左折する。そこはもう住所的には沖野で、ゴチャゴチャとした住宅街が広がっている。公団住宅も建っていて宅地開発にはそれなりの計画性も見られるのだが、道路は総じて狭く袋小路も少なくない。以前は一面の田んぼだったのが1973年に市街化区域に組み込まれて以降急速に宅地化が進んだとのことである。
そんな一帯のほぼ中央、沖野小学校の周辺には、小規模な商店街が形成されている。各店舗は、みやぎ生協。そう言えば、前々回から今回にかけて、やたらとみやぎ生協の店舗を見かけるように思う。今回は東八番丁と南小泉支店の近くで看板を見かけたし、前回は虹の丘に台原の東北労災病院の近く、あと北七番丁に店舗があった。前々回は明石台に大富… 昨年夏に郡山市内を歩いた時もヨークベニマルの多さに辟易したものだが、仙台ではヨークベニマルの代わりにみやぎ生協がずいぶん台頭しているというかのさばっているというか、そんな雰囲気を感じる。でも仙台は、訳のわからない条例によって地元企業が手厚く保護されている郡山と違い、ヨークベニマルヤマザワ、イオン系のスーパーの出店も、それなりに多い。結果地元のスーパーの多くが敗退していったが、それは都市が成長する上で避けられない痛みのように感じる。
沖野支店は、そんな商店街一画、みやぎ生協の少し南側にあった。店舗が設置された時期は1970年代の後半辺りかと推察されるが、さほど古びておらず、小ざっぱりしたデザインの建物であった。