2013年8月21日 ~北東北一泊旅行記 その2~

田沢湖線の電車は、結局16分遅れの14時40分に盛岡駅を出発した。秋田新幹線の車両に故障があったとのことで、ダイヤに多少の乱れがあるという。定刻ならばこの列車は15時55分に角館駅に到着するはずだが、遅れは更に拡大するのだろうか。16時半に駅前で宿泊先の送迎バスと待ち合わせる予定を立てていたので、少々心配になった。
気をもむ背景には、田沢湖線のダイヤが更に乱れる要因がある。今月9日に沿線を襲った集中豪雨の影響で、岩手、秋田両県境の山間部では未だ徐行運転を強いられているのだ。岩手県最西端に位置する赤渕駅付近では、その傷跡を車窓から確認することができた。斜面は崩れ、木々はなぎ倒され、褐色に染まる谷…これでは徐行運転もやむを得ないなと感じた次第。
車窓風景があまりにも痛々しいので、視線をスマホの画面に移し、高校野球の一球速報を確認する。宮崎県代表の延岡学園高校と対戦中の花巻東高校はリードを許す苦しい展開。しかも試合が終盤に差し掛かるという状況までは確認できたが、試合終了を前に電車が電波の届かない圏外へと入ってしまった。確認手段が断たれたのが、少々もどかしい。
 
イメージ 1
 
高校野球の結果を知りたいので早く県境を越えてくれないかなと思うのだが、その思いとは裏腹に、赤渕駅から6.6キロ先、県境に位置する仙岩トンネルの少し手前に位置する大地沢信号場で、秋田新幹線との待ち合わせのため数分停車する。よりによって県境の手前で…更に増すもどかしさ。
だが、妻や子供達は「新幹線と普通列車の交換が見られる!」と大喜び。デジカメやスマホを手に取り、運転席の後に陣取ってシャッターチャンスを伺う。子供達の様子を見て、鉄道旅行の楽しみを覚え始めたかな…と、少し嬉しく思った。
 
イメージ 2
 
仙岩トンネルを過ぎると、いよいよ秋田県。谷が開け田畑が姿を現すと、 スマホも久々に圏内に。さっそく高校野球の結果を確認するも、花巻東高校は無念の敗戦…残念だが、気分を取り直して、車窓に視線を向ける。田沢湖線は国道46号線と絡み合うように走っており、国道沿いには製材所が点在している。広々とした敷地にはこれでもかとばかりに木材が野積みされていて、秋田県林業県なんだなとの印象を強くする。
角館駅の二つ手前に位置する神代駅で、再び秋田新幹線と列車交換。二度目の交換ともなるとインパクトも薄れがちで、下の子などもう完全に寝入っていた。「もう少しで角館に着くよ」と、慌てて揺り起こす。
 
イメージ 3
 
列車交換が二度もあったにもかかわらず、角館駅には定刻からわずか3分遅れの15時58分に到着した。桑折駅から実に308.2キロ。途中下車の時間も含めて9時間かかっての到着だ。
みちのくの小京都と称される観光地の角館であるが、駅前は商店も少なく、閑散としている。わずかに、下校中とおぼしき高校生の姿が目立つ程度であろうか。 まあ良い。角館観光は、明日の午前中に予定している。その時は、賑やかな観光地らしい姿を見せてくれるものと期待したい。
 
イメージ 4
 
宿泊先となる花葉館(参考URL:http://domestic.hotel.travel.yahoo.co.jp/bin/hotelshisetsu?chiku=2221&shisetsu=003)の送迎バスは、16時25分頃に、角館駅前に到着した。 角館の町から国道46号線を7キロほど秋田市方面へと入った先にある山間の宿。閑静なロケーションの中、温泉やきりたんぽ鍋の夕食を堪能した次第。
子供達も、旅の疲れを忘れたのか夜遅くまで起きていて、少々興奮気味であった。結局、就寝したのは日付が変わった後だったろうか。旅先の夜はとかく長くなりがちだ。
 
イメージ 5