2013年8月28日 ~米沢・新潟旅行記 その2~

米坂線の列車は、駅舎の南端にぶつかるような形で設けられている4番線ホームから発車する。山形新幹線奥羽本線とは軌間が異なるとはいえ、日陰に追いやられている感もなくはない。
乗客もまた、非常に少ない。発車の6分前に到着した山形新幹線の列車からの乗り換え客が多少見られたが、4人掛けのボックス席を悠々占領できるほどの閑散ぶり。鉄道に限らず乗り物は混んでいない方が望ましいとは思うが、いくらなんでも限度がある。米坂線の将来に、若干の不安を感じた次第。
定刻10時27分に、米沢駅を発車。
 
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米沢駅を出発して約2時間、12時23分に、終点の坂町駅に到着。坂町と言ってもどこにあるのかピンとこない方も少なくないと思うが、新潟県北部の村上市に所在する羽越本線との接続駅である。駅周辺には市街地も形成されておらず、米坂線の列車から降りた客は、ほぼ100%羽越本線に乗り換える。中には私と同種の「乗り鉄」もいたようで、デジカメやスマホで構内を撮影していたりする。過疎化が容赦なく進む沿線環境を考えると、ひょっとしたら乗り鉄の存在が米坂線を支えているのかな…と、あらぬ想像を巡らせてしまった。
 
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坂町駅12時36分発の電車に乗り、新潟駅を目指す。車両は、恐らく国鉄時代から稼働しているもので、ドアも手動で開けなければならないという代物。東北地方ではとうの昔に絶滅した車両が新潟県で健在だったことに驚かされる。恐らく首都圏で使い古された車両が、新潟方面に回されるのだろう。首都圏と新潟市近辺の鉄道は、直流電化という共通点がある。 東北地方は仙石線を例外として交流電化だから「首都圏のお古」があてがわれることはあり得ない。
羽越本線から白新線に入った電車は、13時38分、新潟駅に到着。が、新潟市内を散策する時間は2時間弱しか確保できず、新潟駅から萬代橋を渡って繁華街の古町界隈を往復するには若干不足気味。できることなら、古町に近い越後線白山駅まで行き、白山駅⇒古町⇒新潟駅というルートで新潟の街を散策したいと考えていた。
新潟駅を発つ越後線の列車は、13時40分発。わずか2分の乗り継ぎ時間では乗り換えは難しいかな…と思っていたのだが、幸い、私が乗った電車と白新線の電車とは隣接するホームでの発着となったので、何とか間に合った次第。
新潟駅を出た電車は、ほどなくして、信濃川を渡る。新潟の街を俯瞰できるロケーションであり、私の好きな風景の一つだ。記念にという訳ではないが、スマホを取り出し写真をパチリ。
 
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白山駅には、13時45分に到着。構内では改装工事が行われており、来月1日には増設されたホームや駅の南北を結ぶ自由通路が営業開始になるとのこと。
白山駅は、古町をはじめ新潟県庁や新潟市役所、白山公園が近いし、実際乗客数も新潟、亀田(信越本線)の各駅に次いで新潟市内では3番目に多いという。となると、駅周辺では副都心的な空間を作ろうという機運があるのかな…と思いきや、 駅周辺は昭和時代を想起させる古色蒼然とした商店街だったりする。この辺は、少々ガッカリした。
 
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白山駅から古びた商店街を500メートルほど東へと進む、新潟市役所の前を通り過ぎると、白山公園の構内に入る。城下町起源ではなく緑地や公園に恵まれているとは言い難い新潟市において市民の憩いの空間として活用されているようで、園内には散策する人々の姿が結構見られた。
また、 園内には、白山神社が鎮座している。新潟市新潟県を代表する神社として、初詣には多くの参詣者を集めているという。真っ赤な大鳥居をくぐった先には、古町の商店街が続いている。
 
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