2014年7月23日 ~新庄・松島訪問記②~

陸羽東線に乗ったのもまた、前回新庄の街を歩いて以来だったろうか。
とはいうものの、沿線の風景には記憶に残っているものが殆どなかったりする。沿線で特に目についたのが、アシンメトリーと呼ぶべきなのだろうか「へ」の字型に近い形をした急斜面と緩斜面を組み合わせた屋根の民家なのだが、この種の屋根がそんなに多いという印象は持っていなかった。また、山形県東端となる最上町が結構開けた盆地だったことも、私を驚かせた。確か人口は1万人にも満たないはずであるが、線路とほぼ並行している国道47号線沿いにはスーパーやホームセンター、ドラッグストアにコンビニがいくつか進出していた。郊外でこれだけ商業施設が整備されれば、新庄市内の商店街が寂れるのも致し方ないのかもしれない。
そしてもう一つ、沿線でここ20年ほど、特に山形新幹線が1999年に新庄駅まで延伸されたことに伴って改称された駅が多いことも気になった。瀬見→瀬見温泉、羽前向町→最上、羽前赤倉→赤倉温泉中山平中山平温泉、そして鳴子(なるご)→鳴子(なるこ)温泉… この先にも多数存在するが、キリがないのでやめておく。
私が乗っている列車の方も、13時59分着の鳴子温泉駅が終点であり、ここで小牛田駅行の列車へと乗り換えることになる。改札を出る客もいたけれど、私を含めた大半の客は乗り換えてさらに先へと向かう。新庄駅から乗ってきた3組のカップルも、全員乗り換えた。ただ、新庄駅から乗ってきた列車が2番線、小牛田駅行の列車が1番線に停車しているため、乗り換えには跨線橋を渡らなければならない。残念なことに鳴子温泉駅跨線橋にはエレベーターが設置されていないため、大きなスーツケースをいくつも抱えた白人男性は、持ち運びに悪戦苦闘している様子であった。 
 
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鳴子温泉駅を出、舞台は一気に松島へ!? 小牛田駅陸羽東線東北本線との乗り継ぎがうまくハマれば、実は鳴子温泉駅から松島駅までは1時間ちょっとで着くことが可能。意外に近いのだ。せっかく 松島を経由するのならば、ただ通過するのはもったいない…とばかりに衝動的に降りてみた次第。
松島を訪れるのは、3年前の大震災の直前、2011年の2月以来である。 
 
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瑞巌寺や五大堂、福浦島に観光船の船着場を中心とした観光地としての松島は、松島駅仙石線の松島海岸駅との間、約1.5キロの間に展開している。前衛の島々が防波堤の役割を果たしてくれたとのことで、津波の被害はさほど大きくはなかったようだ。小中学校が夏休みに入ったこともあり、親子連れの観光客の姿が目立つ。 
そうそう、新庄市内でお土産を買うのを忘れたから、ここでお土産を物色しようと思ったのも、松島を訪れた理由の一つ。いろんな店舗を見て回るものの、仙台土産の進出が著しく「これぞ松島土産!」という品物がなかなか見つからない。結局、お土産購入は諦めた。
 
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「松島の観光」といえば、もう一つ忘れてはならない存在が、マリンピア松島水族館。長年松島観光の中枢を担ってきたスポットではあるものの、震災前から老朽化が激しく閉館の危機に瀕しているという悲しい現実もあったりする。
各機関が協議した結果、来年春を目途にマリンピア松島水族館は閉館し、飼育されている魚や動物は仙台港付近に新設される水族館へと移転することが決定したそうだ。となると、今日が私にとって松島水族館の見納めになるかもしれない。立木が邪魔でうまく撮影できなかったけど、それなりに感謝を込めてのショット。 
 
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こちらは松島海岸駅。マリンピア松島水族館とは国道45号線を挟んで対峙している。 松島観光の玄関口としては松島駅よりもこの駅が紹介されることが多いせいか、駅前広場や駅舎内には観光客らしい姿が結構あった。
私もまた、観光客っぽいそぶりを見せながら、その群れに混じる。あとは、仙台駅で東北本線に乗り換えて、帰宅するのみである。
 
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