2006年11月12日 ~伊達からフルーツライン経由で庭坂まで~

昨日に引き続き、今日も早朝散歩に行くことにする。
行き先は、福島市西部を走るフルーツライン。ちょうど今日、このフルーツラインをルートとしている東日本女子駅伝が開催されるので、開催直前の様子を覗いてみようと思ったのだ。
福島方面への早朝散歩ではいつもお世話になっている桑折発5時42分の電車でまずは出発。でも振り返ってみると、早朝散歩目的でこの電車に乗ったのは10月1日以来一月半ぶりのことであった。
しかも降りた駅は、桑折の隣の伊達。何故伊達で降りたのかというと、フルーツラインの正式名称が「主要地方道上名倉飯坂伊達線」というから。フルーツラインは独立した道路としては国道115号線より分岐する福島市上名倉から同じく福島市の飯坂まででフルーツラインと呼ばれる区間もそこになるのだが、そこから先も主要地方道福島飯坂線や国道399号線との重複区間を経て伊達市伊達町を終点としているのだ。従って、伊達からフルーツラインに至るのはある意味当然の帰結。今回は、ここから奥羽本線庭坂駅を目指すことにする。
まずは伊達から国道399号線を飯坂まで、薄暮の道をテクテク歩く。国道399号線はかつてはその上を伊達から飯坂(湯野)まで軌道が走り現在も飯坂から国道4号線に出る際のメインルートではあるのだが、残念なことに伊達から飯坂までのほぼ全区間を通じて、歩道が整備されていない。仕方なく歩けそうな路肩を探しては右に左に飛び移って歩く。今は早朝だからまだいいけれど、交通量の多くなる日中の散歩はオススメできない区間である。
30分ほど歩くと、飯坂の東端に位置する湯野の町。ここで10月21日に歩いた桑折からの道が合流し、飯坂の南端に位置する医王寺前駅付近まで10月21日とまったく同じルートを歩くことになる。
医王寺前駅手前のT字路で、ようやく本来のフルーツラインが西へと分岐する。しばらくの間は住宅街を通るが、国道13号線との交差点を渡るとその先は果樹園が広がるまさにフルーツライン。といっても、果物の季節はもう終わりかけており、木々には辛うじてリンゴの赤い実が実っているだけ。近くの里山の葉も紅葉がかなり進んでおり、秋ももう暮れかかっているんだと痛感する。
そんな所を通っていると、右手から不意に、お寺の鐘の音が聞こえてきた。音のする方向には、たしか中野不動尊があったはず。そこを訪れるのも一興だったかなと思う。
フルーツラインの中核をなす地域は、その中野不動尊にも通じている万世大路(旧国道13号線)と交差する大笹生(おおざそう)の座頭町。旅行会社と提携しているのか「歓迎 ○○ご一行様」などと看板が掲げられた観光農園が並び、ちょっとした観光スポットとなっている。ただし、小学校や簡易郵便局がある大笹生本来の中心地はここから2キロほど南西にあり、どういう訳か座頭町と小学校付近との間のフルーツラインの沿道は、果樹園ではなく田んぼが広がっている。
大笹生小学校付近で、フルーツラインは南へと向きを変える。ここから庭坂まではあと4キロ。最後のひと踏ん張りだ。
再び果樹園が沿道に広がる道を歩いていると、東日本女子駅伝関連の表示板が目立つようになってくる。まず折り返し点の大きなパイロンが目に入ったかと思うと、「第5中継所」「あと1キロ」「中間点」などの看板が沿道に既に設置されており、本番近しを感じさせる。でもさすがに、選手や報道スタッフなどの関係者は不在。まだ8時前だから、宿舎で食事中なのだろうか。
大笹生ではリンゴ畑が目立っていたが、庭坂が近づくにつれて、梨畑の比率が高くなってくる。この辺りは、萱場梨という梨の産地。桃、梨、ぶどう、リンゴと多彩な果物が収穫されるフルーツライン沿道だが、よく考えてみるとブランドというか、地元独自のネーミングがなされているのはこの萱場梨しかなかったりする。
その萱場梨の、とっくに収穫の終わった畑の真ん中に場違いのように広がる福島県運転免許センターが見えると、いよいよ庭坂庭坂は米沢街道の宿場町だった所で、今でもその面影はわずかながら残っている。また集落の規模自体も結構大きい。ただ残念なことに、当地にある奥羽本線庭坂駅は、無人駅。駅舎自体は2003年にリニューアルされた新しいものだが、かつて窓口があったと思われる箇所は、壁で塞がれていた。