2006年11月19日 ~南福島から福島西道路を経由して東福島まで~

今回の早朝散歩は、福島市西部を南北に縦貫する福島西道路(国道13号線バイパス)を歩く。
これまで早朝散歩のコースは常に桑折の自宅より近い方から遠い方へ、今回のルートで例示すれば東福島駅から南福島駅まで歩くのが常だったのだが、今回はちょっと趣向を変えて、南福島を起点、東福島を終点として歩いてみようかと思っている。
その理由は、帰りの電車の時刻を考慮してのこと。東北本線普通列車は東福島と南福島の間にある福島駅が起終点になっているケースが多く、仮に南福島から自宅に帰ろうとした場合、列車によっては福島で30分以上の待ち時間が生じてしまうケースがあるのだ。それを防ぐための東福島終点策という訳。外はもうだいぶ寒くなっているし、散歩後の汗ばんだ身体を外気にあまり晒したくないのだ。
それはともかく、今回のルートは、新しい道路で沿道にロードサイドショップや新興住宅が建ち並んでいるのが最大の特徴。これまでそのテの道路を歩くのは極力避けていたのだが、今回は「福島の新しい姿を見てみたい」ということで敢えてチャレンジしてみることにした。

前日は仕事が忙しく深夜の帰宅になったというのに、今朝も4時45分にしっかり目覚めた。早朝散歩となると、体内時計の調子がまったく違うようだ。
ただ、昨日の夕飯からそれほど時間が経っている訳ではないので今日の朝食はパス。久々の朝食抜きでの早朝散歩となったが、何とかなりそうかな。
前回のフルーツライン行きと同様に、桑折発5時42分の始発電車で、南へ。途中福島で寝台特急北斗星の追い越し待ちのため5分ほど遅れたが、6時15分に今回の散歩の起点となる南福島に到着する。
今回の散歩は、この南福島から国道13号線バイパス(福島西道路)を経由して東福島駅まで行く、というもの。クルマでは何度か通ったことのあるルートだが徒歩で改めて訪れてみて新しい発見があるのかどうかが楽しみだ。
南福島駅の南側にあるガードをくぐり、まずは駅の真西にある旧城下町・大森を目指す。この区間は私が学生だった1990年代前半には特に駅から500メートルばかり西に進んだところにある福島明成高校以西に田んぼが目立つ地域だったが、今では住宅が建ち並んでおり、南福島と大森は地続きの市街地となっている。
大森もまた、昔の面影はあまり残っていなかった。ここは戦国時代まで伊達氏の分家が拠った所だが、旧宿場町だった瀬上、松川(八丁目)、あるいは庭坂と同様に、この地域でどんな歴史が刻まれたのかということが地域内のどこにも明記されていない。結果、大森は「ただの、商店がちょっと多い住宅地」と化している。ただ、集落の西に位置する丘で城跡でもあった城山公園は、現在でも桜の名所として地元の人々に親しまれている。
大森からは、国道115号線から福島西道路が分岐している吉倉を目指して北上。ただしこの区間は広い通りが皆無で、あぜ道を舗装しただけといった風情の狭い道を歩くことになる。あぜ道と書いたとおり、周辺からは住宅が消え失せ、一面の田んぼと化している。福島市の農地は水田と果樹園がほぼ同じぐらいの面積となっているが、大森近辺に関して言えば、水田9に対し果樹園1ぐらいの割合。そして遠くまで見渡せる田んぼの向こうには吾妻山がハッキリ姿を現しており、そこから吹き付ける風の影響か田んぼには一面の霜。そして気温も、これまで歩いてきた住宅地よりも若干下がっているような気がする。
田んぼの中を15分ほど歩いて、ようやく吉倉に到着。ここから先が、本日のメインテーマである福島西道路。約6キロの道のりを北上することになる。なお、福島西道路は現在ここで国道115号線から分岐し北上している訳だが、国道115号線から南への延伸が決定し、将来は国道4号線と接続する予定。いつ完成するのかわからないが、その時はまた歩きに訪れたいものだ。
福島西道路は沿道にロードサイドショップが建ち並ぶイメージが強いのだが、吉倉から荒川に架かる西大橋までの区間に関して言えば、ロードサイドショップは殆どない。旧国道115号線、微温湯(ぬるゆ)街道と既存の幹線道路との交差点付近では住宅が建て込んでいるものの、そこを外れると沿道の大半は田んぼや果樹園であり、未だ発展途上地域の様相である。
が、西大橋以北は、区画整理が進んだ市街地へと変貌。沿道にはロードサイドショップが並ぶようになる。西大橋を渡るとまず目につくのが、テレビユー福島の鉄塔。何故か「中央」(東中央、南中央、西中央、北中央)の町名を持つこの地域のど真ん中にそびえ目立つ鉄塔ではあるが、どうにも不思議なのが、鉄塔に書かれた「TUF」というこのテレビ局の略称。テレビユー福島の「ユー」は「YOU」を想起しがちだが、実はただの「U」。UHFの略なのだろうか。後日会社のHPで確認してみたもののいまいちよくわからない。
福島西道路はまた、橋梁が多い道路でもある。TUFを過ぎるとすぐに、奥羽本線をオーバークロスする高架橋が登場。ただしこの高架橋には歩道がなく、歩行者は橋の真下にある地下歩道を歩くことになる。その先もヨークベニマルトイザらス(コープマートとの共同店舗)などが建ち並ぶロードサイドショップ街をちょっと歩くと今度は福島交通の線路そして10月21日に歩いた飯坂街道をオーバークロス、また少し歩くと今度は松川を渡河と、上ったり下ったり。福島西道路沿道の地形はいたって平坦なのだが、これらのアップダウンのおかげで息が弾み、いい運動になっている。
が、歩いても歩いても、ちっとも汗が出てこない。気温が低いせいだ。特に松川を渡るあたりでは濃い霧が発生し、体を動かしていても肌寒い状況。大森では望めた吾妻山も、まったく見えなくなってしまった。
松川を渡った先、福島では随一にして最大の郊外型ショッピングセンターである福島サティの前を過ぎると、福島西道路は国道13号線に合流。国道を少し歩き、北矢野目の交差点で東に折れる。ここから福島市中央卸売市場の前を通って東福島駅を目指す。北矢野目の交差点で後を振り返ってみたが、吾妻山はおろか福島サティすらも見えなくなっていた。霧は更に深くなっているようだ。
天候不順が不安を煽り、歩く足も速まる。東北本線をアンダークロスし、広い敷地を誇る卸売市場前を早足で通過。交差点を北へ折れて市場に隣接する卸商団地や阿武隈急行卸町駅前を通り、大原医療センターの脇を通って東福島駅に到着。この間約30分かかったが、早く帰りたいと思っていたせいかあまり沿道の風景が頭に入らなかった。