2007年5月20日 ~勤務先から散歩してみた~

湯沢へ行った週の土日は、久々に連休であった。
ただし、土曜日は上の子が通う幼稚園の運動会があり、日曜日は溜まっていた仕事を処理しに午前中だけ出社。結局、早朝散歩に出掛ける機会は得られなかった。
が、日曜日、実は会社へジャージ姿で出社していた。
「あれ? 運動会ですか?」と同僚に冷やかされたが、さにあらず。仕事帰りに1時間ちょっと歩こうかなと思っていたのだ。という訳で、一仕事片付けた後、11時52分に、仙台市若林区東部にある勤務先を出発。
ちょっと歩くと地元では「産業道路」と通称されている主要地方道仙台塩釜線に出る。これを西へと進む。産業道路国道45号線、「利府街道」と通称されている主要地方道仙台松島線と並んで仙台と塩釜・松島方面とを結ぶ幹線道路。20年以上前から沿道にはロードサイドショップが建ち並んでいたが、ここ数年は利府街道沿いの勢いが勝っているせいか、店舗にもあまり活気を感じない。アルペンがカー用品店になったり洋服の青山が回転寿司屋になったりと、業態の転換も顕著である。
ただし、明るい話題がない訳ではない。今年に入って着工した仙台市営地下鉄東西線産業道路の下を通る予定になっており、開通の暁にはこの地域と仙台市中心部、更にはその西の青葉山や八木山といったレジャースポットが直結することになるのだ。
国道4号線を渡り、産業道路を更に西へと進む。右側は東北地方最大の流通拠点である卸町、左側はマンションが建ち並ぶ大和町である。更に真っ直ぐ西へと進むと午後1時からイーグルス対マリーンズ戦が開催されるフルキャストスタジアム宮城のすぐ近くを通るので寄り道して野球観戦でも… と思いかけたのだが、思うところがあって東西線卸町駅予定地の交差点を左に折れ、産業道路の南側を並行して走っている大和町のメインストリートを歩くことにする。
この道路には特に名前はついていないのだが、私は「大和町通り」と勝手に呼んでいる。「住宅街の中の商店街」という風情が個人的に気に入っている通りだ。太白区八木山、青葉区中山、泉区南光台など、比較的古い時期に開発された仙台近郊の住宅街には半ば自然発生的に商店街が形成されているが、大和町通りもそのひとつ。勤め人を多く抱える卸町に近いという立地条件によるものか、飲み屋や銀行の比率が高いのが特徴である。特に銀行は岩手銀行山形銀行と、他県に拠点を置く銀行の支店があったりする。以前は岩手に拠点を置く東北銀行の支店もあったが、支店の入っていた建物は現在歯医者になっていた。
そんな大和町通りだが、逆に仙台の町に近づけば近づくほど商店が少なくなり、東北本線の貨物線をアンダークロスした先は完全に住宅街。いや、ここは、学園町でもある。貨物線と交差したすぐ先、通りの右手には聖和学園高校のキャンパスが見える。元々女子校で宮城県内ではスポーツが強い学校として通っていたが、数年前に男女共学化し、現在は野球部が力をつけている。私が通った際も、グラウンドで練習試合が行なわれていた。
聖和学園のすぐ先には、陸奥国分寺がある。名前からすると由緒正しげだが、周辺の環境はそれに見合ったものではなく、至ってひっそりとしている。ただし、周辺には史跡公園を建設する計画があり、また、付近に地下鉄の駅が設置される予定のため、将来街の姿は大きく変貌する可能性がある。
その先も聖ウルスラ学院英智小中学校、仙台一高と、学校の脇を通る。今日は日曜日なので学生の姿は殆ど見られなかったが、平日は小中高と幅広い年代の生徒たちで賑やかなんだろうなと推察する。
仙台一高の西にはかつて連坊小路と言われたのが嘘のように拡張されてしまった連坊の商店街が広がっているが、私は一高前の交差点を南へ折れ、奥州街道に面した南鍛冶町へと出た。昨年の10月8日に南から北へと歩いたルートを今度は逆に北から南へと歩いて、長町まで行こうと思ったのだ。南鍛治町から河原町にかけての奥州街道もまた、私のお気に入りの街並み。旧城下町など古くからの街並みは住民の高齢化とともに元気を無くしてしまう傾向にあるけれど、この一帯は学生アパートが意外に多く、まだまだ活気があるのが嬉しいところ。
広瀬橋を渡った先は、昨年同様長町の旧宿場町を歩くか、それとも東北本線東側の貨物ヤード跡を再開発したあすと長町を歩くか、ちょっと迷って、結局前者を歩くことにした。あすと長町の様子は旧宿場町サイドからもチラっと見ることができたが、ようやく道路が整備されたところで、現時点では散歩には適していないように見受けられた。ただ、あと2、3年後に街並みがどのように変化するかが非常に楽しみだし、その時には改めて訪れてみようかと思っている。