2007年6月10日 ~杉田から岳温泉まで~

昨日寝坊して行けなかった岳温泉に、今日行くことにした。
目覚ましを二重にセットしたおかげで、予定通り午前5時に起床。桑折発5時41分の始発電車で、今回の散歩の起点である杉田駅へと向かう。寝台特急北斗星が遅れていたため普通列車のダイヤにも多少影響があり、定刻より8分遅れの6時40分、杉田着。
駅を降り立ち、駅前から西に真っ直ぐ延びている道を、ひたすら歩く。この道は、県道馬場平杉田線。馬場平とは、今回の散歩の目的地である岳温泉の3キロほど南にある集落だ。
国道4号線を地下歩道でアンダークロスし、まず歩くのは田んぼの中。杉田駅奥州街道の宿場町に近接しているので周辺は宅地化が進んでいるが、ちょっと歩くと農村チックな風景が広がる。天気が良ければ前方には安達太良山雄大な山容が望めるはずだが、あいにく今日は曇天。山頂どころか稜線すら見えない。
歩くごとに徐々に高度が上がっていき、40分も歩くとついには集落や田畑もなくなり、県道は完全に山道となる。杉田を出てから長らく2車線を維持していた道幅も、クルマのすれ違いがやっとという状況。それでも行き交う車はある程度あり、その度に路肩に身体を寄せざるを得ない。
岳温泉に向かうルートは二本松市中心部から国道459号線を通るのが一般的だが、この県道も裏道として活用されているのだろうか、と思いながら山深くなった道を歩いていると、クルマが往来する理由の一つが、不意に眼前に姿を現す。
安達太良ゴルフクラブ
事前に地図を見ていたにも関わらず、この存在をすっかり忘れていた。時刻はまだ8時前。今にも降り出しそうな天候だというのに、コースは盛況の様子。ゴルフ人気の高さが伺える。ちなみに、安達太良ゴルフクラブのコースは県道の両側にあり、県道もここではゴルフ場の構内道路。コースを巡るカートが我が物顔で横断している。ロストボールが私の方へ飛んでこないか、ちょいと心配になった。
また、意外だったのは、安達太良ゴルフクラブ分水嶺にして、県道が下り勾配になったこと。馬場平まで一方的に登り勾配だと思っていたので、ちょっと面食らう。
15分ほど下ると、県道の終点・馬場平のT字路。ここを右に折れ、県道本宮土湯温泉線(通称ミドルライン)を北上する。馬場平の地名が示すように、付近は比較的勾配が少ない土地が広がっている。田んぼもあるがそれ以上に牧草地が目立っており、「家畜医」の看板を掲げた施設もあった。また、こうした高原チックなロケーション、また岳温泉に程近い環境だからか、ペンションや別荘、小洒落たレストランが見られるのも、沿道の特徴。さながら「プチ那須」の様相を呈している。
下界とはまったく違う風景を3キロほど歩くと、今回の目的地・岳温泉の温泉街。かつては「ニコニコ共和国」というミニ独立国としても知られた観光スポットだ。ニコニコ共和国は昨夏の温泉街のイベントをもって独立を解消したが、温泉街のメインストリートであるヒマラヤ大通りは早朝から店を開けている土産物屋やそれらの様子を見て回る宿泊客の姿が見られ、少なくとも飯坂温泉に比べて活気がある印象を受けた。
今回の散歩では温泉街から2キロほど山道を登った先にあるJICAの訓練所まで行こうかと考えていたのだが、今年初めてとなる2日連続の早朝散歩で、ちょっと疲れた。従って、温泉街で散歩を打ち切ることにする。岳温泉に到着した時点で出発から1時間45分。普段の散歩に比べてちょっと短めの終了である。