2007年6月23日 ~館腰から名取市西部経由で長町まで~

このところ2回連続で福島県安達地方を訪れていたので、今日の早朝散歩はは宮城県内を歩くことにする。
行き先候補は二つ。一つは、館腰駅をスタートし県道仙台館腰線を北上、長町駅まで行くもので、もう一つは、南仙台をスタートし名取川河口の港町・閖上(ゆりあげ)を経、仙台空港まで行くもの。ここ数回「小さな町」を訪れる機会が多いので後者に心惹かれる部分が大きかったのだが、閖上名物となっている朝市が土曜は休み。どうせだったら朝市開催日に訪れたいので別の機会に行くことにし、土曜日の今日は前者のルートを歩くことに決めた。
こうしてルートは決まったものの前日までの疲労が溜まっていたのか朝は思いっきり寝坊。6時過ぎに妻に起こされるという体たらくだった。この他にも、妻は私が散歩に行くのに際し、ペットボトルに入れた麦茶を冷凍庫で冷やすなどいろいろと協力してくれている。夫の道楽にここまでつきあってくれる妻も、そうはいるものではない。
その妻に見送られて自宅を出発。例によって桑折発6時29分発の下り列車に乗り、館腰へ。先日仙台を訪れた時には思いっきり寝過ごしてしまったが、今日は大丈夫。岩沼できちんと目覚めて、準備を整える。7時21分、館腰着。昨年9月30日の散歩でも歩いた奥州街道に出、今回の目的である仙台館腰線との交差点へと向かう。
この辺りの仙台館腰線は、昨年12月に開通したばかりの真新しい4車線。交差点から東側は東北本線と国道4号線とを一気にオーバークロスして主要地方道仙台空港線へと接続しているが、残念なことに歩行者の通行が不可。従って、交差点から西側が散歩の対象区間となる。車道から一段低い位置に設けられた歩道はかなり広く、散歩にもジョギングにも最適。田植えが済んで青々とした田んぼの中を、テクテクと歩く。
1キロちょっと真西へ歩くと、交差点に差し掛かる。私が歩いた道はそのまままっすぐ西へと続いているが、そちらは仙台館腰線とは別の県道で愛島名取線。仙台館腰線はここを右折し、文字通り仙台方面へと続いている。先ほどと違って2車線だが現在4車線化工事が進められており、今年度中には完成する予定とのこと。
しばらく歩くと田んぼがなくなり丘陵が迫ってくる。丘陵の上、道路の東側には住宅地。ここは名取が丘という名の、仙台のベッドタウンである名取市内では比較的老舗の住宅地だ。
ちょっとくたびれた雰囲気のある名取が丘とは対照的に、道路の西側では現在新興住宅地が分譲中。その名も愛の杜。変わった名前ですが「愛」の字はこの辺りの地域名・愛島から採ったもの。ただし、この愛島自体が、1889年の町村制施行時に周辺集落の文字を拝借してできた新造地名だったりする。ちなみにその文字は北目(きため)の「め」、塩手(しおで)の「で」、笠島(かさしま)および小豆島(あずきしま)の「しま」。この手の合成地名は漢字を組み合わせるパターンが多いのですが、かなとはちょっと珍しい。
新旧の住宅地を従えた丘陵を越えると再び平地に入り、道路も再び4車線となる。土曜の朝だというのに交通量が多く、ロードサイドショップもチラホラ現れる。名取市は中心部の増田が特にスプロール現象で市街化が進んだせいか、東北本線を挟んだ市の東西軸があまり整備されていない状況。これらのロードサイドショップは東北本線以西に住む名取市民に利用されているのだろう。その最たる例がヨークベニマルで、奥州街道沿いと仙台館腰線沿いにそれぞれ店舗を展開している。
ただ、ロードサイドショップが密集している割には、名取市内の仙台館腰線は、どこか素寒貧とした印象を受けた。沿道にニコンやクボタの工場があるせいもあるのだが、他地域のロードサイドに比べて飲食店がちょっと少な目なのだ。考えてみると、ロードサイドの賑わいは、駐車スペースが狭く看板が派手目な飲食店がリードしているような気がする。その点では、境界線を越えて仙台市に入った西中田地区の方が、ヨークベニマルのような核店舗こそないものの飲食店が多く、名取よりも活気があるような雰囲気を感じる。
西中田の街を過ぎると、名取川に架かる太白大橋に差し掛かる。1994年に完成した新しい橋で、この橋の完成が仙台館腰線の幹線としての機能を高めた。名取川に架かる橋を渡ったのは、昨年10月8日の散歩で渡った奥州街道の名取橋以来。名取橋を渡った時も思ったが、名取川はとにかく河川敷が広い。あと前方に見えている丘陵の頂上近くまで続いている住宅群も、相変わらず見応えがある。
太白大橋から北は、区画整理で新しくできた住宅街。ロードサイドショップの数は名取や西中田よりも少なくなるが、仙台市営地下鉄の南の終点・富沢に近いせいか、クルマの通行よりも徒歩や自転車の姿が目立つ。
そしてもう一つ目立っているのは、ザ・モール仙台長町の大きな建物。1997年にオープンした仙台のショッピングモールのはしりとも言える店だが、開店から10年を経ても毎日たくさんのお客さんが訪れる盛況ぶり。この店のおかげで長町自体も商圏を回復し、活気を取り戻した感がある。
そのザ・モール仙台長町の敷地を通り過ぎると、国道286号線との交差点。道路自体はこのまま直進しているが、書類上はここが県道の起点。私もまた信号を右折して長町駅へと向かい、今回の散歩を終えることにする。館腰を出てからちょうど2時間が経過していた。