2007年7月8日 ~南仙台から仙台空港まで~

2週連続の単休(日曜日のみの休み)で疲労が溜まっているはずなのだが、今日も朝5時に目が覚めた。
心配された天気は、きれいな青空。絶好の散歩日和なのも、先週と同様だ。
桑折発6時29分の下り始発列車に乗り、7時28分南仙台着。今日はここから、名取市東部の港町・閖上(ゆりあげ)を経由して仙台空港を目指す。
南仙台駅でトイレに入ったため、散歩の出発は7時30分ジャストと、キリのいいスタート。駅前からは延びる幅の広い道路をしばらく歩いてから、右に分岐する脇道に入る。実はこの道、南仙台駅とその東の四郎丸地区とを結ぶメインルートで仙台市営バスも通っているほどなのだが、沿道には住宅が張り付いているのに歩道もなくしかもクルマがすれ違うのがやっとの細道。時折現れるバス停標も道の両側に設けることができない箇所が多く、本当にこんな所をバスが通っているのかと不安にすらなる。宮城野区福室若林区沖野など、仙台市東部のかつての田園地帯には街路の敷設に先んじて住宅の建設が先に行われたたスプロール現象の見本市のような地域がいくつか見られるが、ここまで道路が狭い所はないと思う。
狭いバス通りを45分ほどは歩いたろうか。路線バスの終点である四郎丸バス停を過ぎると、潮が引いたように住宅街が消え失せ、周囲は田んぼばかりとなる。ただし、左手には名取川の堤防、前方には仙台東部道路の築堤があり、眺望はあまりきかない。
その仙台東部道路をアンダークロスすると、前方に閖上の町並みが見えてくる。そして町の入口近くには、立派な松並木。この松並木は「あんどん松」と呼ばれ、江戸時代には閖上に寄港、帰港する船の目印として機能していたとか。立派とはいえ高さは20メートル程度、しかも港から内陸に1キロほど入った所にある松並木が本当に沖合を航行する船の目印となりえるかは別として、歴史遺産として末永く残って欲しいと思わせる松並木だ。
名取川に架かる閖上大橋をアンダークロスすると、いよいよ町中へ。早朝散歩で港町を訪れるのは今年5月3日の亘理町荒浜以来だが、荒浜よりも規模が大きい。驚いたのは、閖上には仙台市交通局宮城交通の異なる2系統のバスが乗り入れていること。前者は閖上を渡って対岸の仙台市若林区六郷地区を経由して仙台市中心部まで、後者は名取駅まで通っている。
町中を縦貫している貞山(ていざん)堀を渡ると、いよいよ港町の中枢。大きな魚市場があり、水産加工業者の工場や寄港者が宿泊する旅館、海産物を供する食堂などが目立ってくる。
でも、その中でも一番目立っているのは、何と言っても、閖上名物の朝市だろう。港と外海とを隔てている潟湖・広浦に架かる広浦橋のたもとで毎週日曜日および祝日に開催されている朝市は、9時半の終了近くなっても大変な盛況。訪れるクルマには宮城県外のナンバーも見られるほどだった。賑やかさにつられて、私も朝市の中に入ってみる。港町だから売られているのは海産物ばかりかと思いきや、さにあらず。周辺で栽培している農産物や花卉、付近の工房で製造されたパンやお菓子、あと縁日などで見かけるたこ焼きやかき氷の出店なんかもあり、バラエティーに富んでいた。
朝市を出た後は広浦橋の対岸へ。こちら側は天然の防波堤になっているせいか人家が全くないが、サイクリングロードが通っている。このサイクリングロードは仙台市宮城野区岩切を起点に七北田川(ななきたがわ)、貞山堀に沿って岩沼市南端の亘理大橋の袂まで通じているという長大なもの。閖上以北は以前自転車で通ったことがあるが、以南は初めての体験だ。右側は広浦ないしは貞山堀、左側は海からの防砂防風のために植林された松林という単調な風景をテクテク歩く。時折カニが道路に現れ、スタスタと目の前を横切っていく。
そんな風景を30分ぐらいは歩いただろうか。ようやく林が途切れ周囲の眺望が開けると、右手前方に仙台空港の施設が見えてくる。今日はこの仙台空港から、今年3月に開通した仙台空港アクセス鉄道に乗って帰る予定だ。ターミナルに隣接している真新しい駅に着くと、次の電車は9時59分発の快速列車であった。