2007年12月6日 ~歩いてみたい街道② 陸前浜街道~

羽州街道に次いで歩いてみたい街道は、陸前浜街道。現在の国道6号線の原型となっている街道だ。
参勤交代に利用する大名の数が少なかったため(東北地方の大名で利用したのは相馬藩と磐城平藩ぐらい)奥州街道羽州街道ほどの重厚さはないが、私が歩いてみたいと思っている宮城県南部から福島県北部にかけては伊達氏と相馬氏との対立が戦国時代から明治維新直前にかけて続いていた関係で城館址が多く、またそれに付随して旧い町並みもそれなりに残っているから、歩き甲斐はあると思う。
ちなみに、歩く地域は、奥州街道との分岐点である岩沼からかつて相馬氏の本拠地でもあった南相馬氏小高区(旧小高町)までで、下記の6区間を検討している。

1回目…岩沼駅浜吉田駅(約17キロ)
岩沼から亘理伊達氏の城下町・亘理(ちなみに、この藩の氏族の子孫が、現在の北海道伊達市の基盤を築いた)を経て浜吉田駅に至るルート。亘理の街は今年の5月3日にも訪れているがその時は陸前浜街道を歩いていないので、違った顔が見れそうで楽しみだ。なお、浜吉田から福島県境にある坂元までの陸前浜街道はJR常磐線から2キロほど内陸を通っているので、駅から街道までの行程もまた、歩き甲斐がありそう。

2回目…浜吉田駅~坂元駅(約13キロ)
この回では、山元町を南北に縦断する。クルマで通ったことは何度かあるがじっくり訪れたことがない所なので、宿場町だった山下、伊達氏の支城があった坂元の町並みが、ちょっと気になるところ。また、海沿いで勾配の少ない陸前浜街道だが、山下と坂元の間にはちょっとしたアップダウンもあるようだ。

3回目…坂元駅~駒ヶ嶺駅(約12キロ)
坂元から県境を越えて福島県新地町へ。県は変わったが新地町までが旧伊達藩の領地だった。周囲の風景に変化は見られるのかどうか、ちょっと注目したい。

4回目…駒ヶ嶺駅~日立木駅(約15キロ)
駒ケ嶺から旧相馬藩領の相馬市に入り、城下町だった中村の街を通り抜けて日立木まで行くルート。駒ケ嶺以南の陸前浜街道は国道6号線から大きく西に離れており、中村の北西、旧国道113号線沿いの黒木を経由している。国道から離れた宿場町に旧態が残されている例はよく見られるので、その点では黒木の町並みに注目したい。そしてもちろん、中村の様子にも。城下町らしさがどこまで残っているのか楽しみだ。また、日立木駅付近の街道沿いには松並木があるというので、それも気になるところ。

5回目…日立木駅原ノ町駅(約16キロ)
相馬市から南相馬市に入り、鹿島区(旧鹿島町)を経て原町区(旧原町市)まで。この辺りも特に旧市町境付近に軽いアップダウンがみられるようだ。なお、原町からの帰途はバスを乗り継ぎ川俣町を経由するルートも考えたが、やはりオーソドックスに常磐線経由で帰った方が早く帰宅できるようである。

6回目…原ノ町駅~小高駅(約13キロ)
起点までの行程は、この回に限ってスーパーひたちのお世話になることが可能である。おかげで、鈍行列車使用の時と比べ30分は早く散歩をスタートすることができそうだ。最終回となるこの回の目的地は、中村に移転する以前相馬氏の本拠地だった小高。写真で見る限りでは旧い建物もそこそこ残っているようで、散歩のラストを飾るにはふさわしい所だと思う。また、この回の沿道では、相馬野馬追の会場となる雲雀ヶ原も通る予定だ。この地で野馬追が開催されるのは毎年7月24日。2008年の7月24日は木曜日なので、当日に散歩できそうにないのがちょっと残念ではある。