2008年8月9日 ~旧白沢村縦断~

前々回の散歩で下から見上げるにとどまった安達太良大橋を渡りに、今日も散歩に出かける。今回は、安達太良大橋と本宮の街の南端に架かる上ノ橋の2本を渡る予定だ。
桑折駅発5時41分の始発電車に乗り、まずは本宮駅まで。下車時に時計を見たら、6時37分だった。この電車の本宮駅着は6時38分のはずだから、若干の早着だ。
奥州街道の宿場町を起源とし街路が拡幅された安達橋近辺を除けばどこか昭和の香りがする本宮の中心街を南下。会津街道との分岐点付近まで続く商店街、そして廃業したと思しき結婚式場の前を通り過ぎると、上ノ橋へ至る道路との交差点。曲がるとすぐに上ノ橋だ。この橋は安達橋(中ノ橋)、昭代橋(下ノ橋)と並んで本宮市民に親しまれている橋のようであるが、他の2橋と比べると上ノ橋はやや貧相な感じ。橋梁自体も古いし、センターラインも歩道もついていない。それでも交通量はそこそこあったりするから、散歩向きではない橋である。
橋を渡ると、本宮市の高木地区。1キロほど先にある運動公園まで、住宅地が多少混じった田園地帯を歩く。運動公園の前で主要地方道本宮三春線に合流し、しばらく歩くと旧白沢村。人家はほとんどなくなり、丘陵と水田が入り混じる地帯を歩く。他に見るものがないから、時折路傍に現れる道標が気になる。「三春 12キロ」などという表示を見ると、本来の目的を忘れてついつい三春まで歩きたくなってしまう。そう言えば、この主要地方道は、本宮(二本松)と三春やいわき市平とを結ぶ脇街道だったはずである。
しばらく歩くと、目の前に東北新幹線の高架橋が現れる。郡山市西田町から二本松市にかけて東北新幹線阿武隈川の東岸を通るのは知識として知ってはいても、この辺りに鉄道路線があるのは感覚的に奇異に映る。高架橋を見上げながら渡る私をよそに、数分間の間に2、3本の列車が超高速で通過していった。高架橋を過ぎると、この場に似つかわしくない新興住宅地なども登場し再びにぎやかになる。その中心に位置する糠沢小学校の前の交差点で左折し、北進。市道だか農免道路だか詳細は分からないが、歩道もきちんと整備されたきれいな道だ。2キロほど歩くと昨年6月17日に歩いた県道本宮岩代線に合流。県道の方が交通量は多いが、歩道がやや貧相になり、ちょっと歩きにくい。1キロほど歩くと二本松方面へ延びる町道が再び分岐するので、そちらに入る。するとまた、歩道も含めて道路状況が良くなる次第。どうやら、旧白沢村では、県道より村道の整備に力を注がれでいたようである。
立派な道路を1キロちょっと歩き、和田小学校付近にある交差点で、左折。この交差点がダイオード発光の歩行者用信号つきだったりするから、旧白沢村の道路事情が尚更分からなくなる。ちなみに、左折した道路は安達太良ドリームライン(本宮市道・大玉村道大山松沢線)で、この道をまっすぐ歩けばいよいよ念願の安達太良大橋となる。
東北新幹線と再びアンダークロスし、丘陵の中を行く。川が近づいているはずなのに上り坂になるのはこの地域の特徴。さして気にしてはいないが一度渡り損ねているだけにこの先本当に橋があるのだろうか? との不安には駆られる。
が、丘陵を登り切った時に、そんな気持ちはいっぺんに吹き飛んだ。前方に聳える安達太良山の姿の大きく秀麗なこと! 安達太良山のビューポイントとしては文句なしのナンバーワンだと思う。
丘陵を少し下ると、ようやく安達太良大橋。眼下には阿武隈川、そして3週間前に歩いた主要地方道二本松金谷線が見えている。改めて思うのは、主要地方道の道幅の狭いこと。安達太良大橋の歩道と同じくらいの幅しかないのだ。リベンジを果たしたこともあり、しばしの間優越感に浸ってしまった。
橋を渡った先は、大玉村。一昨年の9月24日以来の来訪になるが、東北本線の駅まで歩く必要上、前回歩いた県道須賀川二本松線(奥州街道)を、今回も歩かざるを得なかった。せめて村内に駅があれば良かったのだが。また、県道自体も一昨年と同じで歩道が全く整備されておらず、改めて安達地方南部の県道の整備状況には疑問が湧いた次第。奇しくも昨日収賄事件で東京地裁から有罪判決を下された前福島県知事は、この地域の出身だったはず。足許の状況を軽視し私腹(厳密に言えば実弟の経営する会社)を肥やしに走るとは、最低の野郎だと思う。