2008年9月2日 ~角田市近郊を歩く~

8月9日に散歩に出掛けて以来、1か月近くの間隔が開いてしまった。8月の中旬までは仕事が急に多忙になり休日が少なく、8月の下旬は天候が悪くなかなか行けなかったのである。8月最後の日曜日となる31日も会社の棚卸で結局出勤。ただその代休が今日取れたので、思い切って出掛けることにする。
行先は、角田市に未踏のまま残っている角田橋と枝野橋。深夜まで及んだ棚卸の疲れがまだ残っていたが午前5時に起床。桑折駅発5時41分の始発電車に乗って東福島駅で下車。ここから阿武隈急行卸町駅まで歩き6時09分発の電車に乗車し、揺られること1時間。7時05分に今回の散歩の起点である角田駅に到着した。
1時間以上電車に乗ってようやく到着した角田だったが、ちょっとまずいことになっている。霧雨が降っているのだ。自宅を出た時は雨の気配はなかったし、天気予報も曇りだったはずだが。これまで霧雨の中での散歩はなかったが、どうせすぐに止むさと高をくくり、そのまま出発。駅前から東へまっすぐ延びる通りは7月28日に歩いたばかりなので、その少し北を通る国道113号線まで出、歩くことにする。沿道には新興住宅地が広がり、ロードサイドショップもチラホラできている。7月に歩いた時にも思ったが、角田の中心街はやはり、旧市街の北側へとシフトしつつあるようだ。
時折、傘をさした小学生に出くわす。今日は平日。それなのに放蕩している自分は何なんだろうとついつい自問自答してしまう。しかも眼鏡を容赦なく襲う霧雨ときたもんだ。せめて沿道の景色を楽しみたいのに完全に減殺されている。信号待ちの間にタオルでレンズを拭くが、すぐに濡れる。その繰り返し。
ロードサイドショップが尽き田畑と住宅街とが雑じり合った地域に差し掛かると、前方に角田橋が見えてくる。主要地方道角田山元線に架かるこの橋は、車道橋と歩道橋が分離していて歩きやすい。通勤時間帯にあたっているからか、交通量も多い。橋を渡った先は、角田中央公園の敷地内。立派な陸上競技場に体育館、野球場に屋内温水プールと、施設はよりどりみどり。角田のような人口3万人程度の地方都市でこれほどまでに運動施設が充実、集中している所はそんなにないだろう。ただし、施設を利用する人の数は漸減が続いており、2005年には市内にあった二つの高校が統合、来年春には中学校が一つ統合され閉校するという。
公園の敷地内を出ると、一面の田園風景となる。霧雨はまだ降り続いており相変わらず眺望はきかない。しかも公園から先は歩道がなくなっており、通過車両に肝を冷やしながら路肩を歩く有様。今日は角田市街地の東部に展開する金津、枝野といった集落をを訪れる予定であったが、ちょっと難しいようだ。そこで、コースをショートカットし、金津の2キロほど手前を流れる桜井川に架かる大坊大橋から県道角田大内線に入り、まっすぐ枝野橋を目指すことにした。主要地方道ですら歩道がないのだから角田大内線も狭い道路なのかなと推察していたが、意外にも幅員が広くしかも歩道までついていた。7月に歩いた鳩原の丸森柴田線同様、角田市の県道は意外なところで立派だったりするから面白い。
橋のたもとにある笠松の集落を過ぎると、いよいよ枝野橋。ところがこの橋、幅員が4メートル程度の狭さ。もちろんセンターラインも歩道も設けられていない。7月に渡った槻木大橋や東根橋、さっき渡ったばかりの角田橋とは比ぶべくもない貧弱さだ。それでもクルマの通行量はそれなりにあり、歩いていて肝を冷やした。いち早い改修が望まれるところだ。また、橋を渡った先は角田の市街地のはずだが、橋から堤防までの距離が結構あり、川沿いに広がる畑の中を10分近く歩かされる。周辺には人家はなく、変質者が出たら一発で餌食になってしまいそう。ちょっと気味が悪い。
そんな一帯を通り抜けてようやく角田市街南端にある東町の交差点へ。ここからは昨年4月15日に歩いた中心街を、その時とは逆方向に歩く。今日の散歩の冒頭で通った国道113号線の沿道に比べると、やはりというべきか活気がないのが気になるところ。特段の観光施設も持たないこの中心街は、ゆるやかに衰退していく宿命なのだろうか?
結局、角田駅には8時53分に着いた。雨に祟られたとはいえ、散歩時間が2時間を切ったのは、かなり久しぶりのことであった。