2008年11月10日 ~金谷川スカイラインと大森~

今日は月曜日だが休日だったので、散歩に出掛けようかと思う。
本宮まで長征して阿武隈川の橋を渡ろうかとも考えたのだが、さすがに11月。この寒さでは厳しいので、自宅に近い福島市内を歩くことにする。結局、行き先に決めたのは、私の母校である福島大学の学生を中心に「金谷川スカイライン」と呼ばれている道路。学生時代には何度も通った道だが、かれこれ十年以上のご無沙汰だ。沿道がどのように変わったのか、楽しみである。
寒さが厳しい早朝を避け、桑折駅発8時13分の電車で出発。途中福島駅で車両の切り離しがあったりして、8時50分に金谷川駅着。この駅は相変わらず学生の利用が多い。OBとはいえ世代を異にしている私には場違いな雰囲気だ。
駅構内を出、キャンパスへとまっすぐに向かう学生を尻目に、私は金谷川スカイラインへ。まず驚いたのは、道路の幅が広くなったこと。駅付近が区画整理されているのでその区域の道路が拡幅されているのは理解できるが、区画整理区域を外れてもなお、センターラインが引かれていたりする。私の学生時代はもっと道幅が狭かった。時代の流れを感じる。それでも、かつて友人が住んでいたアパートがそっくりそのまま残っていたりするなど、懐かしさを感じる部分もなくはなかった。
区画整理区域を過ぎると緩やかな上り勾配に差し掛かるが、10分も歩くともう分水嶺。結構急な下り坂だ。周辺の景観も雑木林であり「クマに注意」の看板もあったりしてちょっと肝を冷やす。下り勾配の途中で、福島市街、そしてそこへと向かう東北本線東北自動車道を一望に見渡せるスポットがある。金谷川スカイラインの由縁となる景観だと思うが、一瞬しか見えないのがもどかしい。
坂を下りきると、水田が広がる農村風景となる。ここは福島市平石地区。都市近郊としては珍しく谷内六郎斎藤清の作品に出てきそうなぐらいの純農村チックな風景が展開する地域なのだが、実際に訪れるのはかなり久しぶりのことだ。でも私は沿道風景にはさほど関心はなく、むしろ東側に展開する丘陵に目がいっていた。この丘陵の中腹には東北自動車道、更にその少し上には東北本線、そして丘陵の尾根近くには国道4号線が通っている。つまりは現在の交通の大動脈が収束している訳で、平石の農村風景と比較して見るとそれなりに面白い。
平石から先は、刈り取り後の水田が広がる風景を通り抜け一昨年の11月19日に訪れた大森まで歩を進める。大森は戦国時代の福島市近辺では最も大きい城下町だったので表敬訪問した次第なのだが、町の様子にはちょっとがっかりした。ゴミ集積所が町のメーンストリートの歩道上に設けられており、これらがことごとく野良ネコやカラスに荒らされているのだ。生魚の残骸が歩道上に散乱している場所もあり、衛生上も美観上もよろしくない。どうにかならないものだろうか。瀬上や松川でも言えることだが、福島市には歴史的町並みに対する配慮が著しく欠けている。それがあれば、歩道上にゴミ集積所を設けるなんて愚挙には及ばないはずだ。
大森の町を過ぎ、地元では大森街道と通称されている県道水原福島線へと入る。沿道は完全に宅地化されているが道路は狭く曲がりくねったままで、絵に描いたようなスプロール現象が展開している。都市景観上は醜悪な部類に入るのだろうが、私自身がこのような地域で育ったきたせいか、むしろ郷愁めいたものを感じる。ただし、こんな地域にも大森と同じく一昨年11月19日に訪れた国道13号線福島西道路の延伸工事が及んできており、住宅の立ち退きが行われるなど変容を迫られているようだ。
昨日行われた東日本女子駅伝の舞台となった国道115号線を地下歩道でくぐり、荒川を渡ると、福島の旧市街。福島駅には10時42分に到着。いつもの散歩に比べるとちょっと早目だが、今回はここで打ち切ることにする。