2010年2月26日 ~東邦銀行支店巡礼⑧ 東福島支店・泉支店・福島卸町支店~

昨日に引き続き、今日も休日であった。平日に休んでばかりいるが、28日の日曜日が勤務先の棚卸であるための措置である。
連休でも両日とも散歩に出掛けることは滅多にないのだが、昨日の疲れもさほど溜まっていないことだし、今日も思い切って散歩決行とする。前回の散歩で中2日と書いたばかりだというのに、今度は連投。過去の日記をひも解いてみると、2日連続で散歩したのは一昨年の4月12、13の両日以来のことであった。
今回の訪問先は、東福島(115)、泉(116)、福島卸町(117)の3支店。一回の散歩で複数の店舗を訪れるのは、保原(109)、梁川(110)両支店を訪れた1月30日以来のこととなる。3支店とも福島市街の近郊にあるので、前回までと異なり、出発は早くなくても済む。自宅でゆっくり朝食を摂った後、桑折駅発8時13分の上り電車に乗り込んだ。
福島駅には8時27分着。まずはここから東福島支店を目指す。
ところで、東福島支店というと東北本線東福島駅近辺にあると思われがちなのだが、支店の所在地は福島市役所も所在する五老内町である。どうしてこんなことになってしまったのだろうか。あくまで推察だが、東福島駅が元々瀬上駅(阿武隈急行瀬上駅とは別)だったものを1978年に改称した経緯を有することを考えると、改称以前に東福島支店の方が開店していたのではあるまいか。この辺の事情については機会を改めて図書館に出向き、東邦銀行の行史なり東福島駅の改称当時の新聞の縮刷版なりで確認してみたいところだ。
国道4号線に面した東福島支店へは、平和通りから国道4号線に入るルートで向かった。日中は人通りが少ない福島市中心部であるが、今は通勤時間帯なので通行はそれなりにある。通行人のあるなしで、街の雰囲気もそれなりに変わるものだ。
20分ほど歩いて、東福島支店にあっけなく到着。ATMコーナーは開いていたが窓口はまだシャッターが閉まっている。が、道路に面した窓から店内の様子を覗くことができる。どうやら朝礼中だったらしく、支店長と思しき男性が、行員を集めてなにやら話していた。ATMで1,000円を入金。通帳末尾の端末記号・店番欄は「1115」であった。
次は福島市街の北西に位置する泉支店。東福島支店からだと市街を一気に横断することになる。南北方向の街路が比較的発達しているのに対して東西方向の街路が総じて脆弱なのが福島市街の特徴であるが、幸いなことに、東福島支店の少し南で国道から分岐している道をまっすぐ西へと進むと、福島交通曽根田駅の前まで一直線にたどり着くことができる。一部一方通行であり沿道も商店街と言うよりは一般住宅や小学校の校舎が目立つ閑静な風景ではあるが、歩行者にとっては貴重な東西連絡路であることには間違いない。
曽根田駅前の交差点で右折し、飯坂街道(主要地方道福島飯坂線)に入る。泉支店は、この道を3キロほど北西に歩いた先にある。泉支店に限らず、飯坂街道及びこれとほぼ並行して通っている福島交通飯坂線の沿道、沿線には、笹谷(122)、平野(129)、そして飯坂(107)と2、3キロおきに東邦銀行の支店が点在している。この界隈の市街化が早くから行われてきた証左と言えるかもしれない。
飯坂街道を歩く。車道こそ2車線にとどまるが、近年整備された歩道は、広々として非常に歩きやすい。飯坂線の線路は、この道路のすぐ脇を、終点の飯坂温泉までつかず離れずの間隔で走っている。非常に駅間距離が短く、曽根田から次の美術館図書館前までが0.8キロ、美術館図書館前から次の岩代清水までが1.3キロ、岩代清水から次の泉までがなんと0.3キロしか離れていない。
ところが、その0.3キロしか離れていない岩代清水~泉間の飯坂街道は何かと騒がしく、福島西道路が街道と飯坂線とをまとめて大跨ぎに越えている。そしてガードをくぐったすぐ先に、泉支店も所在する。店内に入ってみると、ATMが4台ある。南福島支店(114)と同様に、利用者が多い支店のようだ。ただし、南福島支店が周辺に工場が点在している環境にあるのとは異なり、泉支店は、周辺人口の多さゆえにATMが多いという印象がある。泉支店が所在する福島市役所清水支所管内の人口は、約3万6千人。泉支店は管内にただ一つしかない東邦銀行の支店だから、お客さんが集まるのも当然と言えよう。ちなみに、通帳末尾の端末記号・店番欄は「8116」。2店舗連続で端末記号欄が数字だが、「8」は初めてだ。
その清水支所管内でいま最も住宅建設が盛んな地域は、やはり福島西道路の沿道と言えるだろう。次の目的地である福島卸町支店への最短経路もこの道路であり、北を流れる松川も飯坂街道同様大跨ぎに渡っているのだが、私は若干遠回りをし、この道路から200メートルほど西に離れた市道をあるいて川寒橋という小さな橋で荒川を渡ることにした。
実はこのチョイスは、私が天の邪鬼だからというだけではなく、今後のルートを見据えてのことでもある。要は、今後の支店巡りにおいて松川を何度か渡ることになるけれども、同じ橋を二度渡りたくないのだ。ちなみに、このまま店舗コード通りに歩いていくと、福島卸町支店~福島駅前支店(118)、福島市役所支店(120)~福島中央市場支店(121)、笹谷支店(122)~西福島支店(123)、大森支店(128)~平野支店(129)の各区間で、松川を渡ることになる。どの橋を渡るかはそれぞれの項で記すつもりだが、今日のルートに関して言えば、川寒橋を渡らないと後々ダブリ渡橋となってしまう可能性が高いのだ。
橋を渡った先の交差点で右折し、市道北沢又丸子(まりこ)線に出る。沿道には閑静な住宅街が広がっており、特に国道13号線以東の区間は福島商業高校が沿道にあることから「福商通り」と通称されている。ケヤキ並木の街路樹が展開し、沿道のお店もどことなくハイソな雰囲気を漂わせている。そう言えば、先ほど歩いた飯坂街道の沿道には福島工業高校の校舎があったが、こちらの近辺には街路樹もハイソなお店も、なかったように思う。同じ高校なのにこれほど違っていていいのだろうかと首をひねる。
丸子バス停近くの交差点で左折。はじめはクルマのすれ違いもままならない住宅地の中の細道だが、しばらく歩くと、福島市中央卸売市場、そして福島市の流通業務地区である卸町へと至る。卸町に入る直前に、八反田川という川を渡る。見ると意外に幅が広いが、川のすぐ近くまで住宅や企業の建物が建てこんでおり、河川敷を親水空間として利用しようという機運はなさそうだ。これが郡山なら、地域や学校を挙げての浄化活動などが行われるところだと思うのだが。祓川のような好例はあるにはあるが、中・小規模河川との付き合い方において、福島市郡山市から大きく後れをとっているように思う。この八反田川や、市南部の濁川、大森川の放置同然とも言える現状は、その象徴ではなかろうか。
郡山に後れをとっているといえば、流通業務地区の規模も、福島は郡山に遠く及ばない。郡山の流通業務地区は東北自動車道郡山IC付近に位置する喜久田町卸一~三丁目であるが、福島の卸町の規模は、その一丁目分に及ぶかどうかといったところである。
それでも卸町に東邦銀行はある。もちろん郡山にも郡山卸町支店(212)が所在するのだが。余談だが、東邦銀行の支店名には「福島市優先」の気風があり、中町支店(105)と郡山中町支店(201)、泉支店といわき泉支店(614)の例のように、福島市に所在する支店に「福島」を冠しないケースが多い。が、卸町に関しては、福島も郡山も仲良く都市名を冠している。先に述べた流通業務地区の規模の差を考えれば、福島の方をただの卸町支店とする訳にもいかなかったのだろう。
店内に入る。前日に給料日を迎えた家庭が多いからか、主婦の姿が目立つ。ATMコーナーにも列ができていた。来訪した店舗はここで15店目となるが、ATM待ちで並んだのは初めてだ。数分待った後にATMが空き、入金。通帳末尾の端末記号・店番欄は「1117」であった。
卸町支店を出る。ここで時計を見ると、散歩開始からまだ2時間しか経っていなかった。連投でなければ次の福島駅前支店まで歩くところだが、今日は無理をせず、卸町に近い東福島駅まで歩き、電車で帰ることにしよう。