2010年4月24日 ~東邦銀行支店巡礼⑮ 福島西中央支店・ローンプラザ福島支店~

1月13日から続けてきた福島ブロックの東邦銀行を巡る散歩も、今日でいよいよ最終回である。
だから本来ならば散歩当日の朝は気が引き締まる場面ではないかと思うのだが、逆に気が緩んでしまったのか、予定していた時刻より若干寝過し、7時10分に起床してしまった。顔を洗い、髭を剃り、妻にお願いして焼いてもらったトーストを頬張ってから、自宅を出発。桑折駅発7時45分の上り普通列車に乗り込む。土曜日ではあったが、車内には部活に出るとおぼしき高校生が多数乗車していた。
その高校生も、福島駅に到着すると残らず降りてしまい、代わりに今回の散歩の出発点である金谷川駅のすぐ近くにある福島大学へと通学する学生が乗り込んでくる。福島大学も土曜日の午前中には講義が開かれないので、彼らはサークル目的の登校だろうか。
そんな学生の一群に混じり、金谷川駅で下車する。学生アパートが林立する駅前を通り抜け、学生の間で金谷川スカイラインと呼ばれている市道を北上する。スカイラインと呼ばれるようにちょっとした峠越えがある道路なのだが、金谷川福島市中心部とを結ぶ裏道、抜け道として活用されているだけあって、交通量がそこそこある。金谷川駅から鞍部にかけてはセンターラインこそあるものの歩道は整備されておらず、通過車両があるたびに道路脇に避難する。
言い遅れたが、今回の散歩では、福島市西部を南北に縦断し、福島駅西口一帯に所在する福島西中央(131)、ローンプラザ福島(133)の両支店を訪れる予定だ。金谷川方面からだとスカイラインを通るのが近道なので、多少歩きにくくても前に進まざるを得ない。
鞍部から坂を下り終え、丘陵の中腹を通っている東北自動車道東北本線を仰ぎ見るようになると、平石の集落へと入る。市街化が進む南福島と大学町の金谷川の中間に位置しているにも関わらず、いかにも農村チックな風景が展開している所だ。家々は古く、構えが大きい。小学校の校舎だけが新しく、校庭ではソフトボールに興じる子供達の姿があった。
平石の北端近くで地平に降りてきた東北自動車道と絡み合うように北上。途中で瀟洒な建物の特養老人ホームの前を通過する。名前を見ると「はなしのぶ」とある。ちょっとした温泉旅館みたいな名前だ。老人ホームの名前といえば「○○荘」「××園(苑)」といったものがまず頭に浮かんでくるが、これらは既に手垢がついた名前になってしまったからだろうか。近年開設された老人ホームには「それらしくない」名前のものが増えているような気がする。
はなしのぶの隣接地には、同じ法人が経営している保育園があった。今日は遠足の模様で、園児をはじめ教師や父母が連れだって私と同じく北に向かって歩いている。前方を見渡すと、左手に桜の花が満開の大森城山公園が見える。恐らくそこへと行くのだろう。
私もまた、大森方面へと歩を進める。しばらく田んぼの中を行き、県道水原福島線に入って信夫中学校の至近を通過すると、大森の町へと入る。4月10日、14日と近くを通りながら立ち寄ることができなかっただけに、来訪が嬉しい。戦国時代以来の城下町ということもあり、旧家が目立つ。平石とはまた違った趣を感じる。
大森の町を過ぎた後は、県道水原福島線(大森街道)でも福島西道路でもなく市街化が中途半端に進んでいる裏道を北上し国道115号線へと出る。ちょうど、地元ではテレビCMが放映されており知名度も高いあづま脳神経外科病院の脇である。
振り返ってみると、福島市中心街以南の国道115号線は、我が散歩とは縁の薄い道路である。東邦銀行の支店においてもわずかに旧道沿いに方木田支店(127)があるのみであり、結局まともに歩く機会を得ることがなかった。今日もまた、あづま脳神経外科のすぐ東側にある市道方木田茶屋下線との交差点を左折したため、あっという間のお別れである。
その方木田茶屋下線であるが、実のところクルマでも通ったことがあまりない道路であった。それだけに、沿道の風景が新鮮に感じられる。ロードサイドショップが結構多い。前々回の日記で荒川以南の福島西道路にロードサイドショップの集積が少ないことを書いたが、なるほど、こちらに集積している訳だ。なお、個々の店舗についてみていくと、不動産やインテリア、リフォーム関係の営業所が目立つような気がする。反面、ロードサイドショップ集中地帯で少なからず見られる飲食店は、あまり多くなかった。
上八木田橋で荒川を渡る。南岸に展開する荒川桜づつみ河川公園の桜並木もまた、城山公園と同じく満開の桜で美しい。時間帯的にはちょっと早いが花見客の姿もあったのだが、それ以上に目を引いたのが、大きなビニール袋を持って河川敷を歩きまわっている中学生か高校生の一群。しかも一つではなく、三つ、四つと複数のグループに分かれて行動している。荒川の清流はこうして守られているんだなと、深く感心した次第。一群はジャージ姿だったので見つけたばかりのうちは気がつかなかったのだが、よく見ると、全員女の子であった。どうやら、八木田橋の北側・野田町に校舎を構える桜の聖母学院中学・高校の生徒のようである。
最初の目的地である福島西中央支店は橋を渡ったすぐ先の高湯街道(主要地方道福島吾妻裏磐梯線)との交差点を左折した先にあるが、先ほど見た清掃活動への好感もあり、桜の聖母学院中学・高校方面へと歩を進める。河川敷のみならずこの辺りでも、ビニール袋を持った中高生のグループと何度かすれ違う。
ここで進路を西に向け、野田中央地区(東中央、南中央、北中央、西中央の総称。本文では便宜的にこう呼ぶ)を進む。福島駅に近くきれいに区画整理された住宅地でありながら、土地が売れ残ったかはたまた敢えて残したのかはわからないが、所々に畑があるのが印象的だ。主要道路に街路樹が植わっているのも相俟って、期せずして緑豊かな雰囲気の街となっている。これが本当の「田園都市」か。さすがにこれは持ち上げすぎだが、田園都市の提案者であるイギリスの建築家 エベネザー・ハワードは田園都市内部に農作業スペースを設ける計画を立てていたそうだから、あながち的外れではないかもしれない。
福島西道路を横断した後、次の信号で左折。高湯街道とのT字路に出ると、すぐ右手に福島西中央支店がある。いつものように、ATMで1,000円を入金。通帳末尾の端末記号・店番欄の表記は「1131」であった。前回訪れた福島医大病院支店(130)に引き続き、端末記号欄の表記が「1」である。
さて、これで残るは最後の1店舗。目指すローンプラザ福島支店は福島駅西口にあるので、高湯街道をまっすぐ福島駅方面へと東進する。道中でもまた、清掃活動に精を出す女子中高生とすれ違ったり追い抜いたり。本当に、感心な生徒たちである。
2キロほど歩いて、福島駅西口というロケーション、しかも銀行にしては妙に広々とした駐車場を有しているローンプラザ福島支店に到着。住宅ローンをはじめ各種ローン相談業務を専門に取り扱っている店舗なのでATMがあるのかどうか心配だったが、ちゃんとあったのでホッとする。ただし、すぐ近くに西福島支店(123)があるせいかATMは1台しかなく、しかもそこからは振込手続きが不可能であった。
入金は、とりあえず可能である。ここでも1,000円を入金。福島ブロック最後の店舗だからという訳ではないと思うが、記帳された金額や文字は他店舗のそれと比べて異様に黒く、そして太かった。なお、通帳末尾の端末記号・店番欄の表記は「1133」で、端末記号欄は3店舗で「1」であった。
 
これで、福島ブロック全29店舗は踏破ということになったが、実のところ、特段の感慨はなかった。
むしろ私の関心は、「次」へと向いている。
以前にも書いたが、今後は、郡山支店(200)を皮切りに、郡山ブロックに所在する東邦銀行の店舗を巡礼するつもりでいる。地図を見ると訪れた経験がない地域を歩く機会も多そうなので、今からワクワクしている。
なお、郡山ブロックの散歩始めは、ゴールデンウイーク明けの5月6日を予定している。長い梅雨を挟むであろうことは覚悟しているが、初夏から初秋にかけての汗を多くかく季節、遠出の散歩を思いっきり楽しんでみたいと思う。