2010年9月4日 ~東邦銀行支店巡礼(31) 郡山総合卸市場支店・ローンプラザ須賀川支店(前半)~

5月から続けてきた郡山ブロックの東邦銀行支店巡礼も、いよいよ最後の一回となった。
訪れるのは、郡山総合卸市場支店(229)とローンプラザ須賀川支店(230)。奇妙な偶然だが、郡山総合卸市場支店はカナで16文字(濁点も別個の文字として数えれば18文字)、ローンプラザ須賀川支店は漢字(一部カナだが)で9文字と、東邦銀行全114店舗の中でそれぞれの表記形態が最も長い店舗同士の取り合わせとなった。余談になるが、表記形態が最も短い店舗は、カナ表記だと小野支店(209)、漢字表記だと泉(116)、塙(306)、平(601)の各支店となる。
最初に訪れる郡山総合卸市場支店は、郡山駅から10キロ弱の位置にある。土曜日の今日はATMが開くのが9時になるので、アプローチは8月19日に郡山東支店(222)を訪れた時と同じ経路を利用した。すなわち、桑折駅発5時41分のいつもの始発電車に乗った後5時54分着の福島駅で途中下車し、同駅を6時53分発に出る上り電車に乗り直した次第。そうすれば、郡山駅着は7時41分となり、遅くとも9時半までには郡山総合地方卸売市場内にある郡山総合卸市場支店に着くという算段だ。
郡山駅からは、フロンティア通り~はやま通りというルートで歩く。前回の散歩でヨークベニマルを筆頭としたロードサイドショップだらけの区画整理地を歩き通した反動で、そのようなものがない所を歩いてみたかったのである。昭和通り(国道4号線)を地下歩道でくぐりはやま通りに入ると、金透(きんとう)小学校のある丘陵を南側に迂回しながら進む。これが良い。郡山市中心部の道路の大半は丘陵をものともせずに直進するものが多いのだが、ここは違う。はやま通りの沿道には金透小学校の旧校舎や如宝寺など歴史を感じさせる建物が多いのだが、道路の敷き方にもまた、無機的ではないものが伝わってくる。
また、他の主要道路では必ず登場する坂道もはやま通りには殆ど見られないから、21世紀記念公園、豊田浄水場久米正雄記念館と、内環状線との交差点までサクサク進む。
環状線から先ははやま通りから離れ、開成山公園の南端を通っている開成せせらぎこみちを歩く。7月27日に歩いた西ノ内せせらぎこみちのような裏道的ムードを期待していたのだが、こちらの方は公園と一体化している印象。ただし、利用者は少なくないようで、腕を大きく降ってウォーキングに励む人や犬を散歩させている人を見かけた。どういう訳か、中年男性が多い。
五十鈴湖のほとりを通り抜けると、せせらぎこみちは国道49号線にぶつかり途絶えてしまう。せせらぎこみち自体は国道の先も続いているのだが、両者を結ぶ横断歩道なり歩道橋なり地下歩道なりが、全く存在しないのだ。従って、せせらぎこみちを通しで歩こうとするならば、はやま通りまで戻って横断歩道を歩く他ない。これはちょっとマイナス点。国道の対岸には毎年初詣客で賑わいを見せる開成山大神宮が鎮座しているだけに、両者を一体として繋ぐルートの必要性を感じる。
遠回りして国道を渡り、更にせせらぎこみちを進む。今度は開成山公園ではなく郡山女子大学の南端を行くようになる。土曜日だが、女子大生の姿も目立つ。通行人がむさい面子(失礼!)ばかりだった開成山公園付近とは対照的だ。キャンパスに沿ったルートは意外に長く続き、出外れると住宅地の中へと入る。この辺りから、せせらぎこみちの名前も町名にあわせて台新せせらぎこみちと名前が変わるようだ。
台新せせらぎこみちは途中に休憩スペースも設けられていて決して悪い通りではないのだが、強いて言えば、周囲の住宅が総じて新しく周囲の樹木もあまり育っていないため、西ノ内せせらぎこみちに比べると風格の面でやや劣る気がする。新興住宅地でたまにみかける緑道に近い雰囲気といったところだろうか。もっとも、街並みの成熟に従ってせせらぎこみちも姿を変えていくことだろう。10年後、20年後に期待したいところだ。
せせらぎこみちの終点は、文化通りの延長上にある主要地方道郡山湖南線に面したヨークベニマルの脇であった。またヨークベニマルか… 若干辟易するが、ここはガマン。あさか野バイパスをアンダークロスし、更に西へと進んでコスモス通りとの交差点を左折する。この時点で、散歩開始から1時間が経過していた。
コスモス通り。名前の響きは綺麗だが、歩道も街灯も整備状況が良くなく、平々凡々とした2車線道路である。せめて名前にちなんで路傍にコスモスのプランターでも並べておけば風情があったのだが。今日も真夏日必至の暑さだけれど、そろそろコスモスが花開く時期。コスモスが咲いていれば道行く人の目を和ませられるのに、と思う。
そんな殺風景な風景も、静御前通りとの交差点付近から一変する。歩道には街路樹が並ぶようになり、車線も4車線となる。交差点の周辺には例によってヨークベニマルユニクロなどロードサイドショップが集中しているとはいえ、大盤振る舞いが過ぎる整備状況だ。しかも皮肉なことに、静御前通りを境に、クルマの通行量は激減しているようだ。周囲の景観も住宅地からやがて田園風景へと変わり、場違いに太くて立派な道路だけがまっすぐに南へと延びている。
もっとも、周囲が田園風景ということは、遠くまでハッキリ見渡せるということでもある。左手前方には郡山カルチャーパークの観覧車やジェットコースターなどのアトラクションが見えてくる。目指す郡山総合地方卸売市場は、この道路を挟んで郡山カルチャーパークの反対側にある。
ところで、この郡山総合地方卸売市場であるが、「関係者以外立入禁止」の施設ではないだろうかと、以前から気になってはいた。ATMを利用するためだけに施設内に堂々と入って良いものなのか、と。卸売市場内の店舗には3月18日に福島中央市場支店(121)を訪れたことがあったが、こちらは窓口自体が一般道路に面しており入りやすい雰囲気であった。が、郡山総合卸市場支店は市場の正門をくぐった先にある管理棟の中にあるし、門前、あるいは管理棟の入口で警備員に呼び止められないか不安が残るのだ。門前払いを食らってしまうだろうか。あるいは訪問理由を正直に話せば通してくれるかもしれないが、「実は東邦銀行の支店を店舗コード順に回ってまして、次の訪問先が御市場の中にある支店なんです…」云々と汗だくの風体で能弁に語れる自信は、正直ゼロである。
だから、コスモス通りから市場の入口へと至る交差点で「東邦銀行 郡山総合卸市場支店 どなた様もご利用いただけます」という立看板を発見した時には、心底ホッとした。市場に無関係の私でも支店に入れることの嬉しさと、はたまた見知らぬ誰かにマニアックな説明をしなくても済む安心感。両者がゴッチャになったような気分であった。