2010年9月4日 ~東邦銀行支店巡礼(31) 郡山総合卸市場支店・ローンプラザ須賀川支店(後半)~

管理棟の入口付近にあったATMで入金を済ませ、市場を後にする。郡山ブロックの支店はこれでローンプラザ須賀川支店を残すのみとなった。左手に郡山パルチャーパーク、右手に市場という、いずれも広い敷地を有する施設の脇を通り抜け、南へと進む。
4車線の区間はこれらの敷地を出外れた少し先にある郡山南インター線(主要地方道郡山長沼線)との交差点まで続いていた。ここから先は再び2車線となるが、不思議なことに街路樹つきの歩道が西側に残り、道路の東側には車線拡張用と思われる細長い更地が展開している。周囲は本当に何もない農村地帯で、こんな所を4車線化して一体何の意味があるのだろうかと思う。そんな風景が、郡山市域南端の安積町牛庭まで続いているから驚く。
道路自体は須賀川市北端にある季の郷(きのさと)という新興住宅地まで続いているらしいが、そこまではつきあいきれないので、県道仁井田郡山線との交差点を右折することにする。この県道は、歩道がなく、センターラインが辛うじて敷かれている程度の曲がりくねった道。田園地帯にふさわしいと言っては失礼だが、少なくともコスモス通りよりは、周囲の景観にはマッチしているとは思う。
東北自動車道をオーバークロスすると、ほどなくして須賀川市に入る。境界付近のみ雑木林が展開する丘陵だが、その外れに赤い屋根が印象的な仁井田小学校の校舎があり、敷地を出外れると丘陵を下り、再び田園地帯となる。前方遠くには、仁井田の集落が見えている。郡山南インター線を渡って以降は集落らしい集落がなかっただけに、規模が大きく見える。
集落の直前にはあたかも防衛線のごとく県道安積長沼線のバイパスが通っているが、委細構わず横断し、集落の中へと進む。家屋が軒を寄せ合うようにギュッと集まっており、集落内の道路の多くはクルマ一台通れるかどうかの狭さ。また、集落内の家屋も土蔵を備えたものが非常に多いのが特徴だ。郡山近辺の市街地や集落は「まず道路ありき」の所が多く家屋も総じて新し目なだけに、その点に仁井田の個性や歴史を感じる。決して観光向けではない集落だが、都市的な雰囲気に呑まれて欲しくはないなと思った。
仁井田からは、県道三穂田須賀川線を南下する。沿道は相変わらず田園風景が広がっているが、細かいアップダウンが連続しており須賀川の街がなかなか見えない。初めて歩く道だけに、本当に須賀川へ向かっているのかちょっと不安になる。分岐する主要道路が特にない一本道なのが、唯一の救いだ。
越久(おっきゅう)という難読地名を通り抜け、西袋中学校の前を過ぎると、主要地方道中野須賀川線に合流。沿道にはコンビニなども登場し、にわかに都市めいた風景となる。東北新幹線東北自動車道と続けざまにアンダークロスし、あとは須賀川を目指して歩くだけだ。
ところが、今歩いている道路、どこかがおかしい。事前のリサーチでは西袋第一小学校の前を通り抜けた後釈迦堂川を渡る手前で東北自動車道須賀川インターチェンジへと至る幹線道路と直交するはずなのだが、歩けど歩けど、小学校も幹線道路もちっとも見えてこない。一応左手前方遠くに国道4号線に面した赤トリヰグリーンモールの建物が見えているので須賀川の街に向かっているのはわかったが、果たしてこの道でいいのだろうか。ちょっと自信がない。
やがて周囲の景観は新興住宅地へと変わる。やっぱりこの道でよかったのかなと思った矢先、目の前に国道4号線との交差点が見えてきた。交差点の手前に掲げられていた案内図によると、私が歩いている道は、国道と交差した後須賀川駅の北側を通過し8月19日に歩いた須賀川東部環状線へと直結しているという。
国道4号線!? やっぱり道を間違えたのか… ガックリする私。実は、道を間違えたことによって、帰りの電車を一本遅らせる羽目になりそうな気配なのだ。国道との交差点に着いた時点で時刻は11時10分。このまま須賀川駅まで直行すれば同駅発11時25分の下り列車に乗ることができるのだが、ローンプラザ須賀川支店まで立ち寄るとなると、11時25分まで須賀川駅に到着するのはかなり厳しくなる。
道を間違えていなければ、九分九厘11時25分発の電車には間に合っていたじゃないか! そう考えると、とたんに足取りが重くなった。喉も異常に渇く。それにしても、郡山ブロックの最後の最後でこんなポカを犯すとは… 気落ちした状態で国道を500メートルほど南下し、須賀川インターチェンジへと至る道路との交差点を右折する。沿道はロードサイドショップも点在しているが、近くに須賀川桐陽高校があるからか、国道ほどはケバケバしい雰囲気を感じない。
ローンプラザ須賀川支店は、高校から300メートルほど西に入ったところにあった。ローン業務に特化した支店なので小ぶりな外観を想像していたが、広さ的には他の支店と大差ないように感じられた。ATM機も2台ある。ローンプラザ福島支店(133)のATM機は1台しかなかったが、西福島支店(123)のすぐ近くにあったローンプラザ福島支店とは異なりこの辺りは須賀川支店(206)や須賀川東支店(223)との距離が離れているから、店舗外ATM的な役割をある程度果たしているのかもしれない。
そのATMで1,000円を入金。これで、郡山ブロック制覇となったが、時計を見ると11時21分。須賀川駅まで全力疾走しても、11時25分発の電車には間に合わない。喜びも中くらいなりの心境になる。
さっき歩いた道をトボトボと引き返し、国道を渡って須賀川駅に着いたのは、結局11時35分のことであった。次の電車は12時25分発。50分も待ち時間がある。幸い、駅構内には須賀川市コミュニティプラザ併設の冷房が効いた待合室があるので、そこのベンチに腰掛けて備え付けのテレビを観ながらまったりと過ごすことにした。待合室の利用者は意外に多く、私が入った時には既に先客が何人かいた。彼らのすべてが電車を利用するのかどうかは分からないが、駅が市民の憩いの場として利用されている様子は、微笑ましく感じられた。