2010年11月18日 ~仙台銀行支店巡礼② 国分町支店・中央通支店・荒町支店・原町支店(前半)~

ここ数日、寒い朝が続いている。雪の季節にはまだ早いが、今後いつまで無事に散歩を続けられるのか、若干心配なところだ。現在の散歩舞台である仙台は降雪量の少ない地域ではあるが、青葉区北部から泉区、富谷町にかけての丘陵地帯は別。繁華街が晴れていてもそちらは雪というケースが、往々にしてあるのだ。
だから、本格的な冬が訪れる前に、少しでも多くの店舗を回っておきたいと考える。仙台銀行支店巡礼の第2回目となる今日は、黒松駅を起点とし、国分町(203)、中央通(204)、荒町(205)、原町(はらのまち・206)の各支店を巡る計画を立てている。一回の散歩で4店舗回るのは、仙台銀行支店巡礼においては、恐らく今回が唯一の事例になるかと思う。
口座作成のために出発が遅かった前回とは異なり、今日は桑折駅発6時29分の始発電車に乗車し、7時40分仙台駅着。ここから地下鉄に乗り換えて、黒松駅に着いたのは8時02分のことであった。まずはここから、仙台の繁華街へと歩を進める。黒松駅仙台市営地下鉄の中でも小駅の部類に入るが、ラッシュ時ということもあってか、周辺の人通りは意外に多い。みやぎ生協や杜の都信用金庫の店舗も進出しているから、それなりに拠点性を有する地域なのだろう。
ただし、道路状況は、お粗末と呼んでいいだろう。黒松から繁華街へと至るメインストリートは地下鉄の東側を旭ヶ丘駅付近から小松島、宮町と通っているのだが、旭ヶ丘から小松島にかけては歩道が殆ど設けられていないのだ。歩行者や自転車は路肩と沿道の建物との間の狭いスペースを通行せざるを得ないのだ。旭ヶ丘は黒松同様1960年代に造成された住宅地。沿道には商店街もある程度形成され、近くに位置する台原森林公園に因んだ森林通りといういかにも杜の都らしい名称がつけられているものの、街路樹など植えるスペースなどは全くなく、造成当時のまま今に至っている印象だ。早期の改良が望まれるところだが、なまじ道路を整備してしまうと地下鉄の利用者が減ってしまうのを懸念してか、仙台市も敢えてそのまま放っているのかもしれない。そう言えば、黒松や旭ヶ丘からだと、東方にある泉区南光台方面へのアクセス道路は、ずいぶん整備されているようだ。
名前に「丘」がつくだけあって丘陵に位置している旭ヶ丘から坂を下って小松島に入る。沿道に東北薬科大学や東北高校が所在することもあり、1キロほど南にある仙山線東照宮駅から歩いてくる学生と頻繁にすれ違う。歩道がないから、その度にどちらかが車道にはみ出さざるを得ない。気分の良いものではないし、歩道の確保だけでもどうにかならないものだろうかと思う。
東照宮駅の由来ともなった仙台東照宮の脇を通り抜け、仙山線の踏切を渡ると、宮町に入る。その名が示すように仙台東照宮門前町として発展し、現在も商店街が続いている。戦災を免れた地域でもありつい最近まで城下町らしさが残る街並みが残っていたのだが、現在は道路拡張に伴い沿道の商店もだいぶリニューアルされている。なお、宮町には次回の散歩で訪問を予定している宮町支店(208)も所在するが、門前町ではなくこれと直交する北六番丁に面しているので、店頭を通過する心配はない。
その北六番丁を含め、門前町と各道路との交差点では、横断歩道を通行する自転車が非常に多い。しかも学生ではなく、サラリーマン風の男女が大半を占めている。時計を見ると8時40分を回ったところ。通勤のピークは既に過ぎたように思うのだが、あと20分もすれば悠々繁華街へと出られる距離だし、小回りが利く自転車の方が移動するには何かと便利な地域なのだろう。
宮町二丁目と一丁目との境界となっている細道を右折。ちょっと見ただの細道であるが、城下町時代の仙台ではこういった道にもきちんと名前が付けられており、この道も「長丁」と呼ばれていた。実はこの長丁、近郊にある現在の太白区長町が仙台市編入された後、誤読を避けるために「錦町」と改名されたという経緯を有している。錦町は1970年に実施された住居表示整備事業を経た現在も残る町名だが、その起源となったのがこの細道なのだから面白い。
長丁をしばらく歩くと、駅前通との交差点。ここから先は、街路樹が設けられた歩道や中央分離帯を有するかなり広い道路となる。沿道もまた、沿道もまたオフィスビルが建ち並び、ちょっとしか離れていない宮町とは対照的な表情を見せている。現在の道路名称はこの交差点から先は定禅寺通とされているのであるが、東二番丁との交差点までは元々長丁であり、錦町であった。現在の町名は本町(ほんちょう)と錦町とに分かれてしまっているのだが、本町側にもかつての名残がいくつか残っている。愛宕上杉通との交差点に位置している錦町公園などは、その代表例と言えるだろう。園内はいかにも「都市の公園」といった雰囲気で、忙しそうな表情で歩いているビジネスマンや犬を散歩させている女性、芝生で遊んでいる母子連れなどの姿が見られた。
錦町公園を出、東四番丁を南下し、広瀬通へ出る。ちょうど地下鉄広瀬通駅の前にあたり構内への階段が延びているので、下りてみる。地下道を歩くのもまた、仙台を舞台とした散歩らしいと感じる。「星空のプロムナード」と題された夜空をイメージした空間が印象深い改札口付近を通過し、更に西進。東二番丁との交差点の先まで続いている地下道の西端まで歩き、地上に出る。
実はこの交差点の角に建つビルの2階に、国分町支店がある。以前は更に300メートルほど西側の、国分町(奥州街道)と広瀬通との交差点にあったのだが、2006年に移転したという経緯を有している。所在地は青葉区一番町になるから支店名も改称するのが筋だとは思うが、私は勤務先で買掛金の支払業務に従事していた経験があるので、軽々しく改称しなかったことをむしろ有難く感じてしまう。
ビルの1階に設けられたATMで、1,000円を入金。店舗コード欄に「203」と印刷されたのを見てニンマリする。今日はこの先、記録を「206」まで伸ばす予定だ。
まずは「204」の中央通支店を目指す。東二番丁を南進した後、クリスマス商戦への準備が進むクリスロードのアーケードに入ってしばらく歩くともう到着。国分町支店を出てから5分ほどしかかかっていない。しかもそのうち2分ほどは、東二番丁を横断する際の信号待ちだ。
中央通支店の次は、繁華街の南に位置する荒町支店。愛宕上杉通に出た後、今度は地下鉄仙台駅の構内へと至る階段を下り、南北に細長い地下道を縦断。最南端にあるイービーンズ前の出口で地上に出る。地下道同様に仙台の繁華街もこのイービーンズ近辺が最南端であり、ここから南の愛宕上杉通沿道はオフィスビルやホテルが建ち並ぶ。その代表的建築物「だった」のが、柳町通との交差点に建つ18階建ての住友生命仙台ビル。1975年に竣工し以降10年間仙台一のノッポビルの座に立っていたビルであるが、バブル期以降現在に至るまでの仙台での高層ビル建築ラッシュを受け、すっかり目立たなくなってしまった。柳町通を挟んで向かい側にはほぼ同じ高さのホテルモントレ仙台が2004年に竣工しているし、柳町通の西側には、同じ住友生命が所有する30階建てのSS30(1989年竣工)や今年竣工した37階建ての仙台トラストタワーが見えている。