2011年2月4日 ~仙台銀行支店巡礼⑯ 太白出張所・西中田支店(前半)~

前回に引き続き、今回も、太白区内の店舗を巡ることとなる。訪問先は、太白出張所(232)と西中田支店(233)。これで太白区内の店舗はコンプリートとなり、仙台市内において未訪問の店舗も泉区にある鶴が丘出張所(234)を残すのみとなる。
昨年11月から始めた仙台銀行支店巡礼が一つの区切りを迎えることについては淋しい気持ちもあるが、今回訪れる地域は私自身全く土地勘がないだけに、どんな場所なのだろうとの好奇心がかなり上回っている。そう、好奇心。これが、私の散歩を文字通り前に進める原動力となっている。
いつものように桑折駅発6時29分の下り始発電車に乗車。散歩の起点となる太子堂駅には7時31分に着いた。これまでの散歩に比べて、若干早い散歩のスタートである。
まずは、太白区の区名の由来となった太白山の麓、太白団地にある太白出張所へ。太子堂駅前…というか、1キロほどしか離れていない長町の南端と表現した方がよさそうな住宅地を西進。県道仙台館腰線を渡る手前で、宮城県北部の登米(とめ)市に本拠を置くウジエスーパーというスーパーの前を通過する。建物の片隅には、仙台銀行のATMが設けられている。ウジエスーパーの店舗は仙台市内に5ヶ所あるが、そのうち中山支店(213)に近い中山店を除く4店舗に仙台銀行のATMが設けられているから、関係が深いのかもしれない。余談になるが、登米市内には、登米(とめ・601)、米川(よねかわ・602)、津山(603)、佐沼(604)、中田町(609)と、仙台銀行の支店が5ヶ所あり、佐沼、登米(とめ)、米谷(まいや)の3支店しかない七十七銀行を凌駕している(注・両行の登米支店に(とめ)のふりがなをつけたのは、両支店とも登米市登米(とよま)町に所在するため)。
県道を渡った先もまた、1980年前後に開発されたとおぼしき住宅街が続く。右手遠くにザ・モール長町の看板が見えたが、その手前にヤマザワ山形銀行など、山形県資本の施設の看板が建っているのが目につく。そう言えば、前回の散歩で富沢駅付近を歩いた時も、きらやか銀行の店舗の前を通過した。さながら「山形県仙台市太白区」といった雰囲気だ。
その反動であろうか。富沢駅の南西に新しく開発された住宅地である富沢南には、ダルマ薬局七十七銀行、そしてみやぎ生協と、宮城県内資本の商業施設が集中していた。 そんな風景の中を、富沢駅へと向かう通勤客が、足早に歩いている。
ちなみに、私が歩いている道は、都市計画道路富沢山田線という。その名の通り富沢駅付近と太白出張所に近い山田とを直結する道路であり、富沢南の住宅地が尽き、周囲が一面の田んぼになってもなお、2車線の太い道路が西へと一直線に延びている。右手には西多賀から八木山へと丘陵の斜面を埋め尽くす住宅街が、左手には名取川の北岸に沿って通っている仙台南部道路に、南岸の丘陵上に展開する名取市の住宅群が展開している。この間太白山は右手前方に見えているのだが、富沢駅付近から2キロほど真西へ直進したところで、富沢山田線は太白山に首位寄せられるように北西へと向きを変える。
途中で、国道286号線と交差。国道沿道は宮城県を管轄する地域区分局となっている郵便事業新仙台支店の敷地の広さが目立っているが、ヨークベニマルツルハドラッグケーヨーデイツーを中心としたヨークタウン山田鈎取、イオンスーパーセンター西松屋宮脇書店を中心とした鈎取ショッピングセンターが集中して出店し、商業集積が進んでいる地域でもある。それにしても、ヨークタウンとイオンが間近でぶつかり合っているのは凄いと思う。福島県では見ることができない光景だ。
国道を過ぎると、いよいよ登り坂へと差し掛かる。ただし、富沢山田線は丘陵の中でも谷底にあたる場所を通っており、沿道には法面と雑木林と溜池ぐらいしか見られない。地図を見る限りでは住宅地に組み込まれているのだが、住宅は法面の上にしか建っていない。だから、本当にこの先に太白出張所があるのだろうかと一瞬不安になる。
そんな一帯を1キロ以上は歩いたであろうか。突如として前方が開け、右手前方に太白山と太白団地が見えてくる。いよいよ到着だ。心弾ませながら団地の中へと入る。この一帯が開発されたのは確か1970年代のことだったと思うが、住宅は意外に古びておらず、しっかりとしているものが多い。
そんな太白団地の中核店舗として機能しているのが、西友太白店。現在は平屋の小ぢんまりとした店舗であるが、その隣接地には西友の倍くらいの大きさを有するエンドーチェーン太白店の店舗跡が建っている。廃墟テイストたっぷりの建物で、少々気味が悪い。エンドーチェーンそのものがスーパーの枠を超えて1970年代~80年代における仙台、いや、岩手県福島県へも影響を及ぼす情報発信基地の機能を有していただけに、淋しい気持ちも感じてしまう。
太白出張所は、その店舗跡に隣接して建っていた。こちらもまた、昨年2月までは太白支店という名の独立した店舗だったのだが、長町南支店(221)を母店とする出張所に降格されている。支店と出張所との違いは私にはよくわからないが、どうやら個人向け取引に特化する意向らしい。従って営業時間も9時から15時まで通しで営業する支店とは微妙に異なっており、12時から13時までの休止時間を挟んだ上で、9時から16時までの営業となっている。なお、太白出張所を訪れた時点での時刻は8時53分であり、窓口のシャッターはまだ開いていなかった。
ATMで入金を済ませた後は、次の西中田支店へと向かう。
まずは、国道286号線を目指して南下。山田自由ヶ丘、旗立、人来田(ひときた)といった地域を歩く。これらの地名のうち旗立と人来田については従前からあるものなのだが、山田自由ヶ丘だけがどうにも納得いかない。名前自体が東京のパクリということもあるが、地形的にも太白団地と旗立の丘陵に挟まれた窪地であって、この界隈に不相応な地名のように思えてならない。そう言えば、人来田の東側には、日本平という名の住宅地もある。静岡市日本平と何か関係があるのだろうか。調べてみたが、適当な資料が見当たらない。どなたかご教示くださると嬉しい。