2011年2月9日 ~仙台銀行支店巡礼⑰ 鶴が丘出張所(後半)~

仙台バイパスとの交差点を過ぎてすぐに、七北田川を渡る。ここで、行政区が泉区へと変わる。今日の散歩は太白区若林区宮城野区泉区と四つの行政区を跨ぐことになる。残念ながら青葉区だけ通らないのだが、仙台市最後の店舗を訪れるに相応しい行程かもしれない。
橋を渡ると、左手には大きな煙突を有する松森清掃工場が登場。その南側には、清掃工場の附属物のような形で仙台市営のペット斎場が建っていた。人様の斎場は青葉区葛岡にあるのに、どうしてペットの斎場は清掃工場の隣なのだろう。ゴミと一緒くたにしないで欲しいと思う。
ペット斎場とは反対の清掃工場北側には、スポパーク松森というスポーツ施設が建っていた。清掃工場の余熱を利用して温浴施設やプールなどが設けられている。どういう訳か屋根つきのフットサル場も設けられており、降りしきる雪など無関係だと言わんばかりに小学生がフットサルに励んでいた。
主要地方道泉塩釜線及びその旧道を相次いで渡ると、鶴が丘に入る。1980年代に開発された住宅地で個々の建物には古びた感じはまだ見られないのだが、既に住民の高齢化が進行中であり、人口も緩やかに減少中とのこと。1月16日に訪れた松陵支店(223)の項でも述べたが、区域内にある二つの小学校が統合予定であり、中学校も西隣にある松陵中学校と統合するかもしれないとの話だ。
鶴が丘出張所もまた、以前は独立した支店であったのが昨年3月より松陵支店を母店とした出張所へと降格されている。だからという訳ではないだろうが、建物は築年数の割には所々に錆が浮き出ているような気がする。ATMコーナーでは男性が玄関マットの交換作業を行っていたが、私が入る際に「いらっしゃいませ」の挨拶はなかった。行員かどうかはわからない。
入金終了。次の訪問先が仙台市の北東に位置する利府町の利府支店(235)となるため。鶴が丘の4キロほど東に位置し利府町にも近い岩切駅まで歩き、散歩終了としたい。なお、鶴ヶ丘支店を訪れた時点で、散歩開始から3時間以上が経過していた。
出張所の並びに展開するプロムナードショップという名の空き店舗が目立つ個人商店スペースを通り抜け、鶴ヶ丘の住宅街を適当に歩いた後仙台北自動車学校の脇を南下し、主要地方道泉塩釜線へと出る。この辺りで泉区から宮城野区へと再突入となるが、右手には田んぼと七北田川、左手には新旧の家屋が入り混じった集落に丘陵と、風景に特段の変化はない。
ただし、仙台城下町方面へと通じている石巻街道が対岸から今市橋で七北田川を渡ってこちらにやってくる辺りでは、平地が尽き、七北田川と丘陵とに挟まれた形になる。左手の丘陵は宮城県県民の森へと繋がっており、同所への道も分岐している。この道は元々同所内に所在する青麻(あおそ)神社への道として機能していた道で、分岐点には「青麻道」と書かれた石碑が建っている。
岩切駅まであと少しという所まで来たが、ちょうどこの辺りで、雪が小やみになっていることに気がついた。もっと早く止んで欲しかったと思う。今回の散歩は、この雪のせいで沿道の印象がかなり散漫になってしまったような気がする。
交通量に比して嫌に立派だった4車線の主要地方道と別れ、右へと分岐するその旧道へと入る。センターラインすらない隘路だがこの道もかつての石巻街道であり、沿道には旧家が建ち並んでいる。すぐ右手を七北田川が流れているはずだが、住宅に阻まれその流れを確認することはできない。
そんな街並みを1キロ近く歩くと、岩切駅の前に出る。駅周辺は土地区画整理事業が進行中であり、これまでの旧態依然とした街並みとは対照的に真新しい商店や住宅が目立つ。駅舎はコンクリート造りの平屋で新しいとも古いとも判別がつかないものであったが、内部に関しては最近リニューアルされたようで、明るい雰囲気が感じられる。
ただし、駅舎からホームへと至る地下道は、結構な年代物であり、しかも狭かった。身障者用のエレベーターも、設けられていなかった。駅前付近と同様に、大規模なリニューアルが必要なのかもしれない。岩切駅は1890年の開業。仙台市内では二番目に古く、利府駅への枝線(元々はこちらが本線であった)の分岐駅でもある。小ぶりでも構わないので歴史ある駅に相応しい重厚感ある駅舎だと嬉しいのだが。