2011年12月7日 ~郡山市内右往左往~

12月に入って寒さも厳しくなり、散歩してもなかなか汗をかけないことが多くなってきた。
そんな愚痴をふと漏らしたところ、上の子から「じゃあ走ったら?」と素朴なツッコミ。
最近、散歩やブログに関して子供にもいじられることが多くなった。2ヶ月ほど前からfacebookにて「本名によるネット活動」も始めたから、尚更その傾向が強くなってしまった感じがする。
 
ところで、今回の散歩からは、奥州街道を歩かず、郡山市内を数回に分けて歩くことにする。
散歩の目的は、「郡山市内に架かる阿武隈川の橋をすべて歩き通す」こと。3年前に計画しながらしばらく棚上げになっていた企画を、ここで実行したい。
なお、郡山市内における阿武隈川の橋は、北から順に以下の14ヶ所が存在する。
 
鬼生田(おにうだ)橋
小和滝橋
富久山大橋
逢隈橋
阿久津橋
安原橋
行合橋
細表橋
金山橋
日ノ出橋
永徳橋
 
このうち過去の散歩で踏破済なのは、御代田橋(2010.7.21)と金山橋(2010.8.19)のわずか2ヶ所のみ。残る12ヶ所を数回に分けて、これから歩き通したいと思う。
なお、今回の散歩から、カテゴリーを「早朝散歩2012」に移すことにする。今後の日程を考えると、この企画の最中で年越しを迎えるのはほぼ確実だからだ。
 
そんなこんなで、今朝7時過ぎ、私は安積永盛の駅前にいた。
駅前は高校生で溢れかえっている。阿武隈川の対岸、駅の徒歩圏内に日大東北帝京安積の両高校が所在するから、もっともだと言える。彼らに混じって駅前からまっすぐ東へと延びている道を行き、永徳橋を渡る。これだけ高校生が歩いているというのに、歩道すら設けられていない不親切な橋だ。どうにかならないものだろうかと思う。
東北新幹線の高架橋をアンダークロスし、田村町徳定の住宅街を歩く。日大東北高校が日大工学部に近接しているからか、学生アパートが目立つ。福島県内における日大工学部の存在感は決して高くはないが、福島大学をしのいで県内最多の学生数を誇る。
その日大工学部の正門前を通り過ぎると、左手前方に見えている阿武隈川の堤防上に橋が見えてくる。これが日ノ出橋。対岸の橋詰に位置する永盛小学校への通学用の橋として機能しているようで、自動車通行は不可となっている。これまで渡ってきた阿武隈川の橋の中にも、大型車のすれ違いが不可能な枝野橋(角田市)や「大橋」を名乗りながら歩道はおろかセンターラインすら設けられていない羽出庭大橋(丸森町)、1925年架橋と歴史は古いが車道は一方通行の松齢橋(福島市)といった橋があったが、車両通行不可の橋を歩いたのは初めてだ。竣工は1990年と比較的新しく、柵にはハナカツミ、ヤマザクラカッコウと、郡山市の花、木、鳥のイラストが描かれていた。
小学校の敷地の南端を通り、笹原川に架かる新橋を渡る。目の前には先ほどアンダークロスしたばかりの東北新幹線の高架橋が延びており、二度目のアンダークロスを通過すると東部幹線、奥州街道と立て続けに横断する。ちょうど通学時間帯ということもあり、班登校の小学生と何度もすれ違う。
細道をそのまま西へと進むと、眼前に郡山貨物ターミナルのヤードが現れる。道路はこのヤードを地下道で通り抜け、更に先に位置するビッグパレットふくしまの直近まで一気に達している。地下道には歩道が設けられているので歩きやすいかな… と思い入ってみたが、途中で罠が待ち受けていた。なんと、地下道の西側出口の手前50メートルほどの地点から、歩道がプッツリ消え失せているのである。逃げ場がないから路肩を歩くしかない。クルマの流れがなかなか途切れないものだから、ヒヤヒヤし通しの行程となってしまった。
ビッグパレットふくしまの前へと出る。福島第一原発事故の直後に原発周辺住民の避難所として活用されたこの施設は、今でも富岡町川内村の災害対策本部が入居し、緊急体制を保ったままである。駐車場にはいわきナンバーのクルマがズラリ。敷地の北側には仮設住宅が多数建設されている。
国道4号線に出、ロードサイドショップが建ち並ぶ一帯を北上する。国道49号線との交差点を通過し、その次の交差点を右折。再び東北本線をアンダークロスして、東へと進む。こちらのアンダーパスもまた、まともな歩道が設けられていない。路肩に舗道が黄色く塗られている部分があり「ここが歩道だぞ」と教えてくれてはいるものの、歩行者同士がすれ違う際はどちらか一方が車道にはみ出さざるを得ないし、車いすでの通行も難しそうだ。先ほどから、郡山市のダメな部分を選んで歩いているような気がする。
が、小原田小学校の敷地の南端を通過し奥州街道との交差点を過ぎると、この道路はなんと一気に4車線の幹線道路へと変貌する。とは言うものの、それも一瞬のこと。本日3度目となる東北新幹線のアンダークロスを経、東部幹線との交差点を過ぎると、2車線へと戻ってしまう。ついでに言えば、東部幹線もまた、この交差点を境として北側は4車線、南側は2車線となっている。
更に東へと進むと、これまた本日3度目となる阿武隈川の橋・中央大橋のお出ましだ。名前が妙にビッグだが、橋の東側に展開している郡山中央工業団地にちなんだ名前らしい。橋に差し掛かるといきなり「clarion」の看板がお出迎え。この企業、本業のカーオーディオ製造よりも、個人的には「クラリオン・ガール」の方がインパクトが強かったりする。芸能界ではイマイチパッとしなかった感がする彼女たちだが、まさか出身者の中から閣僚が輩出されるとは思いもしなかった。
クラリオンの他にも、JTやパナソニック電工など、工業団地内には大企業の工場が目立つ。昨年に郡山市を集中的に歩いた際には訪れることがなかったので、工業都市・郡山の表情が垣間見れて嬉しくも思う。
パナソニック電工の敷地の西側を流れる阿武隈川に出、本日4本目の橋となる細表橋を渡る。この橋も日ノ出橋と同様に歩行者と自転車の専用橋だ。橋上で高校生の自転車とすれ違う。8時をとっくに過ぎているはずなのに今頃登校していて大丈夫なのだろうかと他人事ながら心配になる。
橋の対岸は、小原田の住宅街。この界隈は奥州街道や東部幹線といった幹線道路しか歩いた経験がなかったのだが、それ以外の道路は総じて狭く、意外に下町的な風情が残る地域のように感じられた。またも東北新幹線の高架橋や奥州街道を通り過ぎ、東北本線をアンダークロスすると、昭和通り(国道4号線)へと出る。
散歩スタートから1時間半が経過したところだが、橋を四つも渡ったことだし、今回はここで打ち止めとしようかと思う。金融機関や生保会社の支店が建ち並ぶ昭和通りを北上し、最後はフロンティア通りに出て、8時53分、郡山駅に到着。