2012年8月3日 ~青春18きっぷで小旅行 その2~

水郡線は、一昨年の6月から7月にかけて、散歩の行き帰りに郡山~磐城守山間に乗ったことがあった。
が、そこから先となると、かなり久しぶりだ。記憶が正しければ、1993年の正月明けに乗って以来ではないかと思う。確かあの時は当時住んでいた福島市金谷川から郡山駅経由で水郡線に入り上菅谷駅で分岐する常陸太田駅への枝線に乗ったはずなのだが、沿線風景はまるで記憶に残っていない。だから、始めて乗るも同然の有様で、左右に展開する景色を忙しく眺めながら、しばらく過ごす。
矢祭山で平地が尽きて久慈川が線路に寄り添うと、いよいよ茨城県との県境。ドキドキ感が一層強まる。その矢祭山から二駅進むと、この列車の終着となる常陸大子駅だ。8時58分の到着。車両基地を擁する水郡線の拠点であり、この駅を発着する区間列車も少なくない。
ということは、水郡線を乗り通そうとしてもこの駅で思わぬ待ちぼうけを食らうこともあったりする。今回のケース
もこれに該当し、水戸駅方面への列車は9時40分発までない。どうせ行き当たりばったりの一人旅だし、この機会に大子の町をしばし散策してみようかと思う。
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大子町袋田の滝八溝山を擁する奥久慈地域の観光拠点となる町だけに、商店街もまたそれなりにしっかりとしたものであった。ただし、1970年代には約3万人いた人口が近年では2万人を割り込み、町内に二つあった高校が2004年に統合されるなど、過疎化の兆候も目につく。 
東日本大震災福島第一原発事故で大きく傷ついた福島県との県境に位置し観光圏も共有していることもあってか「がんばっぺ大子」と書かれたフラッグが商店街の各所に掲げられているのもまた印象的であったが、道路の行先表示を見ると、大田原市那珂川町といった栃木県内の自治体の名前が目立っていたりする。確かに、町内を東西に貫く国道461号線を10キロほど西進すれば県境を通過する。FIT地域という今は死語と化した地域概念があったが、大子町はその中央に位置しているのだなと実感した次第。
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9時20分過ぎに駅へと戻り、ほどなくしてホームへとやってきた列車に乗車。乗客は少なかったが私と同様に郡山駅方面から乗り通そうという人も数人いたようだ。
定刻通りに出発すると、列車は久慈川に沿って南下していく。沿岸では、鮎釣りに訪れたらしい釣り人を何人も見かけた。原発事故の影響で鮎釣りも打撃を受けている旨耳にしていたが、それなりに客足があることを嬉しく感じる。
また、沿線には袋田、上小川、西金と、ログハウス調の駅舎を擁する駅が多く、ローカル線らしいひなびた雰囲気を醸し出していた。