2012年8月3日 ~青春18きっぷで小旅行 その3~

しばらくひなびた山間を走ってきた水郡線は、常陸大宮駅を境として急激に沿線風景が変わる。
丘陵は後方に引き田畑が広がるようになり、2、3キロおきに停車する各駅からは乗客が続々と乗ってくる。特に常陸太田駅への枝線が分岐する上菅谷駅では沢山乗ってきて、通勤ラッシュと遜色ない混雑ぶりとなった。
乗客の大半は中高生。確か今日からの三日間水戸市内で黄門まつりが開催されているから参加するのかなと思いきや、さにあらず。黄門まつりと同じく今日から三日間の日程で、国営ひたち海浜公園において「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012」というイベントが開催されていて、水戸駅南口から会場までのシャトルバスが発着しているのだという。列車は10時56分に水戸駅の北端にある水郡線のホームへと到着したが、車内と同様に駅構内もまた、中高生で大混雑の様相を呈していた。
とにもかくにも、水戸駅に到着したので、早速街探検。繁華街の西にある水戸芸術館まで往復しようかと思う。駅前広場に出ると、カラクリ時計が11時ちょうどの時報をけたたましく鳴らしていた。歓迎されているようで、少し嬉しくなる。
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駅前広場には、カラクリ時計の他にも、水戸黄門・助さん・格さん御一行の銅像もあった。この種のモニュメントは、主要都市の駅前には欠かせないアイテムとなっているように思う。今日通過した所でも、福島駅では古関裕而がにこやかな顔をしてピアノを弾いているし、郡山駅ではGReeeeNの手形や足形が展示されている。今回の旅行では訪れないが、宇都宮の駅前にもギョーザを象ったモニュメントがある。
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黄門さまはまさに水戸のシンボルであって、駅前から水戸芸術館方面へと向かう国道50号線にもまた「黄門さん通り」という愛称が付けられている。今は黄門まつりの開催中とあって、 沿道は七夕飾りや提灯で彩られていた。ただし、沿道の人通りは、さほど多くない。駅構内にあれだけいた中高生も、こちらまで足を運んでくれたのはごくごく少数のようだ。
他の地方都市と同様に水戸でもまた繁華街の地盤沈下が進行しつつあり、ここ20年間だけでも、西武百貨店ダイエー、ユニー、田原屋、ボンベルタ伊勢甚と、多くの大型店が閉店しているのが現状だ。ダイエーのあった南町二丁目あたりは元々常陽銀行本店を中心として金融機関や証券、保険の各会社が軒を連ねていたから、商店街と言うよりはむしろオフィス街の様相を呈しているほどだ。繁華街が寂れてもオフィス街や飲み屋街はしぶとく残っている都市は、確かに少なくない。が、水戸の飲み屋街は水戸芸術館から更に西へと進んだ先の大工町であり、時間の都合上、今回の訪問はかなわなかった。
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水戸芸術館の前に到着。高さ100メートル、かつ斬新なデザインの鉄塔が印象的な建物だ。
水戸のランドマーク的建物なのでその姿をスマホに収めたいと思ったのだが、近くで撮影しようとするとてっぺんを写そうとすると周辺の建物が全く写らないので、その威容が伝わりにくい。
果たしてどうしたものか…少々迷った挙句、300メートルほど南に離れた京成百貨店付近まで移動し、ビルのすき間から見えた芸術館を撮影してみた。このアングルだと確かに全容が収まる。が、左右のビルより小さく写ってしまったため、大きさが分かりにくくなってしまったのが難点ではある。
なお、京成百貨店は、今となっては水戸の繁華街で唯一残っているデパートだ。1階でルイ・ヴィトンのショップが大きな看板を掲げて営業していたのが非常に目立っていたのだが、店内をチラリと覗いたところ、お客さんの入りはさほど多くなく、しかもその大半が年配の女性であった。
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こんな具合に繁華街を往復し、水戸駅に戻ったのが11時40分過ぎ。水戸駅12時10分発の下り電車に乗る予定を立てていたので水戸市内で腹ごしらえをしたかったのだが、微妙に時間が足りない。結局、駅構内のニューデイズにて、おにぎりを二つ買ってやり過ごした。