2015年2月7日 ~福島市・伊達市の高校めぐり① 福島高校、橘高校、福島東高校、福島南高校(福島中央高校)、福島西高校~

昨年上の子が中学校に入学して以来、高校受験の存在が急に身近に感じられてきた。
が、私は福島県外の出身のため、各高校の特徴などを詳しく知っている訳ではない。
そこで、各高校のデータをネット経由で集めてはいるものの、通学路や周辺の環境などやはり足を運ばないとわからない部分もあり、「そうだ、福島市伊達市の各校を巡る散歩に出掛けよう!」と考えた次第。特に昨年は散歩をサボりがちだったため、体力作りのためにも頑張ろうと思う。
記念すべき(?)第1回目は、福島、橘、福島東、福島南、福島西と、福島市中心部近辺に所在する県立の進学校を回ることにする。なお、今回のシリーズでは、学校を撮影すると不審者と疑われる可能性が無きにしも非ずなので、写真は掲載しない。文章だけではわかりづらい点があるかと思うが、ご容赦願いたい。
桑折駅8時13分発の上り電車に乗り、8時28分福島駅着。まず訪れるのは、福島市内最古かつ市内はもちろんのこと福島県内でもトップクラスの進学校である福島高校。駅前広場から北へまっすぐ15分ほど歩くと到着する。福島高校は信夫山の麓にあるから駅から結構離れているイメージがあったのだが、意外に近い。やはりこういった情報は、歩いてみて初めてわかるもの。
沿道にはMAXふくしまの他には目立った商業施設はなく、その代わりに学習塾の建物が目立つ。さすがは進学校の通学路ではある。MAXふくしまの1階にあるフードコートも、自習中の高校生で満席になることが少なくないらしい。その中には福島高校の生徒も少なからずいるのだろう。あと、沿道近辺には、MAXふくしまの最上階にあるイオンシネマや飯坂街道(主要地方道福島飯坂線)沿いにある福島フォーラムと、映画館が多い(というか、福島市内にある映画館はこの2か所だけ)のも特徴と言えようか。
昨年改築されたばかりの5階建ての校舎を有する福島高校の正門前からは、祓川沿いの道を東進する。祓川と言えばきれいに整備された水辺空間で知られるが、それはもっと東側で展開される光景であり、福島高校付近では用水路にも似た雰囲気のただの小川である。国道13号線を歩道橋でオーバークロスし、福島テレビの前を通過。左側、信夫山の麓には学法福島高校の校舎が見えているが、こちらは他の私立高校と一緒に次回の散歩で訪問する予定を立てている。
一方、右手を見ると、橘高校の校舎が見えている。県庁通りとの交差点を右折し、正門前まで歩を進める。福島女子高校を前身とする同校であるが、現在は共学校。福島高校と同様5階建ての新しい校舎には「橘」の文字が書かれた校章が掲げられており、女子高イメージも払拭されつつあるようだ。
県庁通りを更に南下し、福島大学付属小学校の前で左折。この界隈は福島市役所をはじめ福島地方裁判所福島市市民会館など、行政系の施設が目立つ。桜の聖母学院幼稚園・小学校および短大も、この界隈に所在する。同校は幼稚園から短大まで一貫教育を行っているが、中学・高校だけは福島市街地西部の野田町に所在している、ここもまた、次回の散歩で訪問予定だ。
国道4号線を渡り、その少し東側を並走している奥州街道へと出る。この界隈は1979年まで福島大学教育学部が所在していたこともあり、個人商店を中心とした商店街が続いている。教育学部の跡地は現在、福島大学附属中学校と福島東高校の用地として活用されている。
福島東高校は1980年の開校。福島市内の県立高校では福島、橘に次ぐナンバー3の進学校の位置づけになるが、どういう訳か福島大学附属中学校から進学する生徒は殆どいないらしい。聞いたところによると、福島大学附属中学校は1学年約140人のうちほぼ半分の約70人は福島高校、約20人は橘高校に進学するとのこと。つまり、福島東高校にしか進学できないような成績では中学内では落ちこぼれ的なポジションになってしまう訳。断っておくが、他の中学校であれば、福島東高校に進学するためには少なくとも学年の上位20%以内に入っていなければ安全圏とは言い難い。福島大学附属中学校は他の中学校とは別次元、住む世界が違うのだ。
福島東高校の正門を通り過ぎ、国道114号線との交差点を渡る。左手の少し離れた所には、最近進学校として台頭してきた私立高校・福島成蹊高校の校舎が見えている。ここも次回の散歩…というか、学法福島高校といいここといい、次回の散歩の訪問先が目に入ってしまうのは少し興ざめだ。少しでも既視感を抑えるためにも、次回の散歩のコース取りには気を遣わねばなるまい。
城下町時代の面影を多少残している豊田町の商店街を通り抜け、再び国道4号線へ。しばらく国道を南下するものの、阿武隈川を渡る手前で左に別れ、松齢橋を渡って渡利の街並みへと入る。昔も今も道路が狭く、センターラインもなく一部は一方通行の道路が県道に指定されていたりバス通りだったりする有様。まさに「ザ・スプロール現象」。渡利に限らず福島市の近郊住宅地は福島西道路沿道を除いてこういう場所が大半を占めており、荒井や八山田、御前南といった土地区画整理事業のパッチワークのようになっている郡山市とは好対照をなしている。
松齢橋から続く道をそのまままっすぐ南下すると、左手に福島南高校の正門が現れる。1987年の開校と福島市内の県立高校の中では最も新しいが、敷地自体はそれ以前より定時制の福島中央高校の敷地として利用されていた(現在も併設)し、更に遡れば福島農蚕高校(現・福島明成高校)の敷地でもあった。ただ、住宅がぎっしり並ぶ同校の周辺を見ていると、ここに農業高校が建っていたことなどとても想像がつかないが。
福島南高校は、本日訪れた高校の中では唯一普通科を有さず、文理、国際文化、情報会計の3科で構成されている。歴史が浅いながらそれなりに実績を有する進学校ではあるものの、個性的な名前を持つ学科の内容が保護者に正確に伝わっていない面も否めず、私の住む町からの進学希望は若干人気薄気味。多種多様な職業に触れる機会の多い都市部の住人にマッチした校風なのかもしれない。
福島南高校の敷地を出はずれるとT字路に出るので右折。少し歩くと国道4号線に出る。ここもまた渡利であるが、先ほど歩いた一角とは異なり、さすがに国道、広々としている。少し南下すると弁天橋で、再び阿武隈川を渡河。その先の信号を右折し福島第一中学校の脇を通り抜け、奥州街道を横断して旧国道115号線へと出る。沿道は住宅地だが建物はどことなく古びたものが多い。旧国道の沿道ということで市街化が比較的早かったのだろう。
そんな一角を1キロほど西進し、住宅街の中を通る細道へと右折。この先に、本日最後の訪問校・福島西高校が所在する。橘高校と同じくここもまたかつては福島西女子高という名の女子高であり、しかも商業科が設けられていた関係で4年制大学進学者よりも短大や専門学校への進学、あるいは就職する生徒の方が多かったのだが、共学化後は商業科が廃止される一方で数理科学、デザイン科学の両科が設置されるとともに4年制大学への進学率も上昇傾向にあるという。
福島西高校のすぐ北側には、荒川に架かる八木田橋。あとは、福島駅に戻るだけである。八木田橋で時計を確認すると、福島駅を出てからちょうど1時間半が経過。そこから福島駅西口に10分程度で到着した。
福島西高校から福島駅までもまた、15分程度といったところであろうか。行程の関係で福島、福島西以外の高校と福島駅との間の距離は歩測していなかったが、いずれも20分程度といったところであろうか。交通の便の良さもまた、進学校たる所以なのかもしれない。