2012年5月17日 ~新企画は郵便局巡り(8) 宮局・北白川局・白石駅前局(後半)~

更に県道北白川停車場犬卒塔婆線を南下する。北白川駅から2キロほど進んだ先にある白川小学校の近くにあった自動販売機で飲み物を買い、水分補給。
が、昨年3月12日に通った時は、停電の影響で、そんなこともできなかった。柴田町船岡のコンビニで買った飲み物も底を尽き、乾いた喉でひたすら南下を続けていた。川の水でも飲むか… と思いかけた時に現れたのが、国道113号線との交差点付近に建っていたコンビニ。震災翌日にも関わらず営業しており、飲み物を入手することができたのだ。店内の商品は殆ど売り切れており買えたのは缶コーヒーと炭酸水だけだったのだが、買えただけマシ。白石市内にある他のコンビニは私が見た限りでは全滅気配だったので、長い長い行程を繋ぐまさに「命の水」だった。
このコンビニは、今でも元気に営業中。その様子を横目に、国道113号線へと歩を進める。
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前の写真に写っている行先表示でもわかるように、国道113号線は、宮城県内では七ヶ宿町から丸森町にかけての県南部の自治体を東西に横切る道路として認識されているようだ。
が、この国道全体を見渡すと、西は日本海岸の新潟市から東は太平洋岸の相馬市までを繋ぐ東西連絡の重要路線だったりもする。新潟県から山形県南陽市にかけては「新潟山形南部連絡道路」の名称で新潟市山形市、更には仙台市との最短経路としてのリニューアル計画があるが、南陽市以東の区間は「ただの国道」に留まっているような気がする。丸森大橋も間もなく開通することだし、南陽市白石市角田市、そして相馬市とを直結するルートとして、もっと活用されれば…と思う。
国道を西進すると住宅が徐々に増えてくる。斎川に架かる郡山橋を渡ると、いよいよ白石市の中心街だ。
橋上で、白石駅方面にスマホを向けて、パチリとやってみる。ビルの合間から、前回の散歩で写せなかった白石城天守閣が顔を覗かせている。
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国道113号線を更に西進し、東北本線をアンダークロスすると、商店街に入る。 
奥州街道に面した長町、中町の界隈は、アーケードが施されている。宮城県内だと、仙台市を別とすれば、アーケード街は石巻市の立町大通りと塩竈市本塩釜駅付近にしかない。その意味では貴重な商店街だが、地方都市の商店街の例に漏れず、ここもまた客足がまばらである。
そんな中、唯一、客で賑わう店舗があった。それは、銀行。いくら郊外店が増えようが大都市の商店街が充実しようが、銀行だけはどこに行こうがサービス内容は同じだから、最寄りの店舗に足を運ばざるを得ない。かくて、閑散とした街並みでここだけが賑わうという、ある種奇妙な風景が出来上がる。
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アーケード街の南端で左折すると、白石駅へと至る通りが延びている。この通りもまたかつてはアーケードが施されていたが、1995年に白石城天守閣が再建されるのにあわせて撤去されている。
白石駅前郵便局は、この沿道にあった。先ほど見た銀行と同様に客が詰めかけており、狭っ苦しいATMのスペースにもまた、先客が二人いた。
入金を済ませ、白石駅に到着。東北新幹線が開通する1982年までは特急が停車していた駅ということもあり、駅舎も駅前広場もそれなりに立派だ。
駅前には鐘楼がある。鐘は白石市の市章にも採用されたり、あるいは「鐘響都(しょうきょうと)」というキャッチフレーズがなされているほどなじみの深い存在だ。元々は、白石城主・片倉小十郎景綱が戦場に掲げた旗印が鐘の形だったことに由来しているとのこと。
余談だが、白石城の鐘堂にあった鐘は明治維新後に桑折町の傳来寺に買い取られ、現存しているそうだ。その意味では、この鐘は桑折町ともいくばくかの繋がりを有していることになる。
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