2012年5月24日 ~新企画は郵便局巡り(9) 大張局(前半)~

前回の日記で「次回の訪問は白石市南西部にある小原局を予定している」と書いたのだが、歩くにあたりGoogleストリートビューにてコースの様子を確認してみたところ、白石市中心部方面からの道路事情があまり良くないことがわかった。散歩のスタート地点となる白石市中心部から小原までは国道113号線の一本道であり、その道中には4キロほど歩道がない箇所がある。これだけならまだ何とかこなせるのだが、その歩道のない箇所にトンネルがいくつも連なっているのを目の当たりにし、不安を感じた次第。トンネル内には側溝に蓋をしただけとおぼしき歩行空間が確保されてはいたものの、逃げ場のない所を通過車両の脅威に晒されるのは、いくら散歩慣れした私でもやりかねる。
結局、小原行は取りやめにし、丸森大橋の開通まであと一週間と迫った丸森町方面へと足を伸ばすことにした。
なお、小原へは、羽州街道の小坂峠経由で行けないか、検討してみたい。小坂峠は確か東日本大震災の影響で大型車の通行が禁止されていたはずだが、歩行には支障はないと聞いている。
 
桑折駅7時59分発の電車に乗り、白石駅8時19分着。
ここから、丸森町への散歩を始める。終点は丸森大橋に程近い阿武隈急行丸森駅で、途中で大鷹沢(白石市)、大張(丸森町)の両郵便局に立ち寄る予定だ。
歩行距離は20キロを超え、丸森駅への到着予定時刻は正午過ぎが見込まれる。自宅を出る時に「今日の帰宅は2時過ぎになりそうだ」と、一応妻に告げておいた。丸森駅から我が家までは直線距離こそ近いが、公共交通機関を利用するとなると阿武隈急行から東北本線へと乗り継ぐために槻木駅か福島駅を経由する遠回りなルートをチョイスせざるを得ない。
 
白石駅を出てから中心街を少し南下し、主要地方道白石丸森線に入る。白石駅から1キロほど南東に東北新幹線白石蔵王駅があるからか、沿道には新しい住宅も目立つ。
とは言うものの、白石蔵王駅はこんなに不便な所に設置したのだろうと、疑問に思うことが少なくない。前後の線形を考えれば白石駅への併設は難しかったことは推察できるが、せめて東北本線と接続させる形で駅を設置していれば、宮城県南部の商業拠点を柴田郡に奪われることもなかったのではあるまいか。白石蔵王駅前からは細々とバスが発着してはいるものの、柴田郡方面へ直通する路線は存在しない。つまり、白石蔵王駅は首都圏と柴田郡とを結ぶハブたり得ていないということであり、ハブでない所に商業拠点を設けても意味がない。
白石駅の2キロほど南に東北新幹線東北本線とが交差する地点があるのでここに接続駅を設け、更にそのすぐそばで国道4号線と交差している東北自動車道に新しいICを設ければ、鉄道、道路両面でのハブになり、柴田郡はもちろんのこと県境を越えて国見町辺りからも集客が期待できる商業拠点が造成可能だったのではないか…と妄想がどんどん膨らんでいくが、今となっては後の祭りである。
イメージ 1
白石丸森線を更に進めば丸森町に着く訳だが、今回訪れる予定にしている二つの郵便局はいずれもこの道路の沿道にはなく、大鷹沢郵便局は県道川前白石線、大張郵便局は県道越河角田線の沿道にある。なお、これらの県道は実質的には一本道であり、歩行距離も白石丸森線を進むのと大差ない。
白石蔵王駅から1キロほど進むと川前白石線との分岐点に差し掛かり、更に1キロほど南下すると、もう大鷹沢郵便局に着いてしまう。時刻は8時51分。白石駅を出てから30分ほどしか経っていない。局付近からは白石の市街地が田んぼ越しに見渡せる。だから呆気なさも倍増だ。
ところが、局内のATMが稼働しておらず「御用の方は窓口まで」云々とメッセージが流れていた。入口に掲げられたATMの営業時間も、きれいに塗りつぶされている。局の規模からして恐らくこれでも事足りるのであろうが、あくまで「局内のATM」を訪問する立場の私としては、若干困惑。9時の開局まで待って窓口で入金しようかとも思いかけるが、結局、ATMで入金するという原則を重視し、大鷹沢郵便局での入金は泣く泣く諦めることにした。
余談だが、下の写真で、スマホで撮影する私の姿がガラス越しに写ってしまった。本ブログで初となる顔出しである。ちと恥ずかしい。
イメージ 2
大鷹沢郵便局付近から500メートルほどの区間は県道沿いに集落が続いているが、そこから先は人家がパタリとなくなってしまう。両側にも丘陵が迫り、山間の雰囲気が漂う。「クマ出没注意!!」などと書かれた看板もあって軽い恐怖感も覚えるが、大鷹沢郵便局から3キロほど南下した先にある中の内という集落から先はセンターラインや広い歩道が完備された立派な路面となる(ここまでは大型車のすれ違いも難しい隘路)ので、多少の安心感を得る。
中の内から更に3キロほど南下すると、丸森町との境界だ。看板には町名や町章の他、町中心部にある旧家・斎理屋敷のイラストが描かれていた。なお、斎理屋敷は、次回の散歩で訪れる予定を立てている。
イメージ 3
丸森町に入って1キロほど進むと、川前白石線(県道106号線)は越河角田線(県道105号線)と合流する。道路標識を見る限りではこの交差点で川前白石線は終着となるように見えるが、実は右折方向に進む越河角田線と路線重複しており、丸森町北西端の耕野地区を縦貫して白石市越河方面へと向かう越河角田線と別れた後阿武隈河畔にある川前集落で国道349号線に交流し、ようやく終点となる。
その終点から更に3キロほど国道を南下すると、福島県伊達市梁川町との境界となる。だから、行先表示も「梁川」となっているのであろうか。また、交差点付近にあった商店では伊達市保原町にあるタマスズ醤油を販売している旨の貼り紙があったし、宮城県ではあるもののどことなく福島県の雰囲気を感じてしまう。その一方で、白石駅方面から白石市民バスの路線も延びていて、丸森町、あるいは角田市も含めた伊具地域に入ったという実感もなかなか湧いてこない。
帰宅後に地図を見てみると、この交差点の周辺は、白石市角田市丸森町伊達市の4自治体のほぼ中間に位置していることがわかる。何もない山村ではあるが、周辺各地の文化的特徴が、少しずつ受け継がれでいるのだろうと思う。
イメージ 4