2012年6月5日 ~新企画は郵便局巡り(11) 五十沢局(後半)~

さて、気を取り直して五十沢へ。まずは、国道349号線を西進する。
国道は阿武隈川にへばりつく相変わらずの隘路だが、丸森町方面から砂利を満載したダンプが何度もやってきて、肝を冷やす。
人家の方はチョボチョボといったところか。わずかに「白鳥とアンポの五十沢路」と書かれた看板で、ここが五十沢であることを知る。
白鳥はともかくとして、あんぽ柿の方は、放射性物質の問題が絡んで、今年もまた先行きが不透明な気がする。昨年はあんぽ柿にすることができず畑に山積みになっていた~恐らく廃棄処分するのだろう~柿を見て心を痛めたものだが、できることなら同じ悲劇を繰り返して欲しくないものだ。
そんな思いで周囲を見渡すと、柿畑と思しき果樹園が散見される。晩秋になると見事な実をつけ、辺り一面が朱に染まる。私の好きな風景の一つだ。
滝沢川という小川を渡ると、国道沿いに人家が目立つようになる。ついでに言うと、片側だけだが歩道が設けられている個所もある。どういう訳か歩道側の家には犬を飼っている所が多く、前を通過するたびに激しく吠えたてられる。番犬としては立派だが、吠えられた方はたまったものではない。
五十沢郵便局は、歩道のない側に面して建っていた。周囲には小学校やJAの施設が集中しており、いかにも五十沢の中心といった雰囲気を漂わせている。ATMで、1,000円を入金。4月28日以来ひと月ちょっとぶりに、福島県内の郵便局での入金となった。
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五十沢郵便局を通り過ぎる頃には阿武隈川の左右に展開していた丘陵がだいぶ後方に引いていた。盆地に入ったのだ。久々に広々とした所を歩くのは、結構気持ちが良い。
集落が尽きると、梁川大橋が登場。2008年に架けられた、新しくて立派な橋だ。以前はこの東側に梁川橋という古びた橋が架かっていたが、梁川大橋の開通後に取り壊されてしまい、痕跡すら見当たらない状況だ。
梁川大橋の上からは、阿武隈川に合流する広瀬川の姿を望むことができる。こうしてみると、広瀬川も結構大きな川である。なお、次々回以降の散歩では、この広瀬川の沿岸にある郵便局を、集中的に訪れる予定を立てている。
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梁川大橋を渡ると梁川町の市街地へと入る。南端にある梁川駅周辺はきれいに区画整理されているものの、北側は旧態依然とした商店街が依然として残っていたりする。沿道には梁川郵便局の看板も見えていたが、今回は訪れない。あくまで山舟生郵便局を踏破してから商店街をじっくり歩くことにし、今回は商店街の北端で分岐する県道平松梁川線へと入り、市街地の北はずれにあるやながわ希望の森公園前駅で散歩を打ち切ることにする。
ちなみに、平松梁川線の名前にもある平松とは、丸森町筆甫(ひっぽ)地区の小字名。県道の沿道では、「平松 14.6キロ」と書かれた標識も見られた。14.6キロなら1回の散歩で歩けるかな…などと、バカなことを夢想してみる。
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やながわ希望の森公園前駅に到着。時計は11時ジャストを指していた。
同名の公園への入口でもあり瀟洒な駅舎が建てられているが、昨年の4月から無人駅になってしまった。ただし、構内では駅員がいた頃からそば屋が営業していて、阿武隈急行の駅の中ではそれなりの活気めいたものを感じる。
帰りの電車は、11時09分発の福島行。構内の自動販売機で買ったジュースを飲んでいたら、もう到着した。1時間近く兜駅で電車を待った前回の散歩と比べると、ずいぶんと呆気ない。
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